【最終回】「鎌倉殿の13人」義時たちに待ち受ける、それぞれの結末。第48回放送「報いの時」振り返り:2ページ目
後鳥羽上皇の隠岐遷幸(実質流罪)
さて、宇治川を抜かれたら京都は丸裸も同然。多勢に無勢の官軍は敗れ去り、最後の切り札である後鳥羽上皇の出馬も藤原兼子(演:シルビア・グラブ)に止められてしまいました。
かつて後白河法皇(演:西田敏行)が遺言した、必死に守り抜いてきたもの。劇中ハッキリと言及はない(なかったですよね?)ものの、初代・神武天皇以来脈々と受け継いできた皇統(皇室の伝統・歴史)に他なりません。
※まぁ、現時点で上皇陛下が亡くなられても当今(とうぎん。現在の天皇陛下、ここでは第85代・仲恭天皇)がおいでなのでは……と思いますが、おそらく義時から当今を守り抜ける者は他にいないと考えられたのでしょう。
そこでアッサリと秀康・胤義を見捨てて、上洛してきたトキューサこと北条時房(演:瀬戸康史)に「朕を惑わす奸臣どもをよう討ち滅ぼしてくれた」と掌返し。かつて源義経(演:菅田将暉)に宣旨を与えておきながら梯子を外した後白河法皇そのままですね。
果たして、奸臣とされてしまった藤原秀康は逃亡して後日処刑、三浦胤義は最期まで奮戦した後に自害。秀康はともかく、兄・義村の命によって朝廷に与した胤義がトカゲの尻尾切りされたのは(史実とは言え)スッキリしませんね。
責任をすべて武士たちに押しつけ、これで一安心……かと思いきや、そんな上皇の態度を義時は許さない。出家させられた上に隠岐島へ「ご遷幸(お移り)」いただくこととなり、罪人を乗せる逆輿で運ばれます。
すると現れたのが、かつて後鳥羽上皇によって隠岐島へ流された文覚(演:市川猿之助)。もう十数年前に亡くなったはずですが、伝承の多い人物なので(そしてドラマの絵面的に面白いので)野暮は言いっこなし。頭をかじられた後鳥羽上皇の、実にコミカルな退場を彩ってくれましたね。