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【最終回】「鎌倉殿の13人」義時たちに待ち受ける、それぞれの結末。第48回放送「報いの時」振り返り

【最終回】「鎌倉殿の13人」義時たちに待ち受ける、それぞれの結末。第48回放送「報いの時」振り返り

13人の意味

「……さんざん待たせた挙げ句、何だこれは」

かつて運慶(演:相島一之)に依頼した「神仏と一体になった私」の像がようやく届いたと思ったら、凄まじく醜悪な邪神像でした。実にシュールレアリズム(超現実主義)の先駆けと言うか、ピカソや岡本太郎なんかが好みそうなデザインです。

またこれまでの仏像と異なり、彫った木肌にも滑らかさがなく、鑿痕がゴリゴリと残った手抜き感。これは義時に対する反抗心の表れなのか、あるいはささくれだって安らかさとは程遠い心情を示したものかも知れません。

「今のお前さんに瓜二つだ」と笑う運慶。斬るまでもないと連行させ、像を叩き斬ろうとしたところで昏倒する義時。きっと罰が当たったのでしょう。

その後も根に持った義時は、見舞いに訪れた政子に「あれは私だそうです」と愚痴をこぼします。きっと大好きなお姉様に慰めて欲しかったのだと思います(そう見えました)。

「……梶原殿、全成殿、比企殿、仁田殿、頼家様、畠山重忠、稲毛殿、平賀殿、和田殿、仲章殿、実朝様、公暁殿、時元殿。これだけで13。そりゃ顔も悪くなります……」

義時の自虐的回想に、頼家の名前が入っていたのを聞きとがめた政子。病死したと聞いていたのに。しかしこの13人、阿野全成(演:新納慎也)や仁田忠常(演:高岸宏行)のように必ずしも義時が手にかけた者ではなさそうです。

自分が暗殺に携わったというなら、木曽義高(演:市川染五郎)や一条忠頼(演:前原滉)なんかを入れた方がより「顔も悪くなる」と思うものの、(より自分の責任が重くなる)頼朝死後に限定したものと考えられます。

実際にはこの他にも大河ドラマに登場していない者たちも粛清などされていますが、恐らくこの13という人数に含みを持たせたかったのでしょう。

13という数字にこだわるなら、後年泰時が結成する評定衆(ひょうじょうしゅう。合議制)11名と執権(泰時)・連署(時房)の13人を見たかった(ナレーションでもいいから言及して欲しかった)ですね。

7ページ目 エピローグ「報いの時」

 

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