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武家の女性は強さも必要!江戸時代、男装で女性たちを指導した「別式」とは?

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「よろしいか!公方様のご威光をもって天下泰平なれど、いつまた戦乱が起こらぬとも限りませぬ!我ら女子(おなご)も『治にあって乱を忘れず』の精神をもって武芸を嗜まずば、御家を守ることなりませぬぞ!」

「「「はいっ!」」」

見上げた(ちょっと過剰な?)危機管理意識と言うか、ある種の戦国乱世ノスタルジー(平和ボケに対するやましさ?)が感じられる光景は、御三家(尾張、紀伊、水戸藩)はじめ外様の長州毛利藩、薩摩島津藩、加賀前田藩など全国17、8家で見られたそうです。

日本全国「300諸侯」とも呼ばれた藩の全体数からするとごく少数ではありますが、別式を供えていた藩は、徳川家を守ろうとした、あるいは討伐しようとその機を(約200年にわたって)狙い続けた意識の高さがうかがわれます。

いつか必ず、徳川家を護る/倒すために……青々と剃り上がった彼女たちの眉跡には、男性武士以上の決意が込められていたのかも知れませんね。

※参考文献:
稲垣史生『三田村鳶魚 江戸武家辞典』青蛙房、2007年8月

 

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