71歳で子供を授かるタフネスっぷり!毛利元就のパワーの源となった食事術とは?【前編】:2ページ目
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餅の持つ霊的パワー
特に「餅」が元就にとって役に立ったと言われているのが、1555年に起きた厳島の戦いです。彼はこの時、現在の山口県にあたる周防国の大軍と一戦交えたのですが、相手が約2万人の大軍だったのに対し、元就軍は3千人程度でした。
この時の戦いでは、もちろん元就はさまざまな謀略を巡らせたのですが、それ以外にも兵糧として餅を採用していたことから勝利を収めることができたのだろうと思われます。
米飯には、重要なエネルギー源である炭水化物が含まれていますが、前述のとおり、餅はその米をさらに圧縮しているので、同じ分量でもかなりの高カロリーになります。
もちろん、当時は細かい栄養素のことなど分からないでしょうから、元就は餅がエネルギー源として最適であることを体で分かっていたのでしょう。
もともと、餅には古代から霊的・神秘的なパワーが宿っているというのが、古代からの日本人の考え方です。現代では半ば迷信と言えますが、それでも、今だってお祭りやお祝いなどにふさわしい食べ物として扱われています。
案外、昔の人は、エネルギー源としての餅のすばらしさを何となく体感していたのかも知れません。そんなイメージも加わって、餅は聖なる食べ物と考えられたのではないでしょうか。
【後編】では、戦国時代を代表する名医・曲直瀬道三と元就の関係も絡めて解説します。
参考資料
永山久夫「賢食物語第11話 賢人たちの食術 「毛利元就」と「五味五色」」
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