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今川義元の首級を返せ!織田信長に一矢報いた岡部元信の武勇伝【どうする家康】:2ページ目
城と交換に、義元の首級を取り戻す
……では終わらず、時は流れて永禄3年(1560年)。桶狭間の合戦において、元信は対織田の最前線である鳴海城(名古屋市緑区)を死守していました。
「さすがは丹波、一筋縄ではいかんのぅ……」
主君・義元が討たれた後も抵抗を続け、攻め寄せる織田の軍勢をことごとく撃退。ついに信長は和睦交渉に移ります。
「岡部殿。もはや今川の総大将も討たれ、もはや勝敗は決したと申すに、なにゆえ抵抗を続けられるのか。城を明け渡せば城兵の助命はもちろんのこと、御身の安全も保証いたそう」
しかし元信は頑として受け付けません。
「断る!たとえ首になろうと、主君を敵の手に渡したまま引き上げるなど家臣としてあり得ない……そうじゃ。太守(義元)様の首級となら、この城を引き換えてやってもよいぞ」
元信の忠義に感動した信長は、さっそく義元の首級をきちんと棺に納めた上で元信に引渡し、元信も約束通りに鳴海城を退去しました。
「太守様。お守りできず面目次第もございませぬ。さぁさぁ、これより駿府へお送り申しますぞ。みな待ちかねておりますゆえ……」
いざ駿府へ……義元の棺を先頭に掲げ、威風堂々と引き上げていく元信。しかし道中、ちょっといたずら心が沸き起こったようです。
「なぁ皆の衆。こうして太守様をお連れできたのはよいが、やはりただ帰っては面白くない。せっかく太守様が直々にご覧あそばされているのだから、ひと手柄お目にかけようではないか!」
「「「よっしゃあ!」」」
という訳で、元信たちは通りがかった刈谷城(愛知県刈谷市)を急襲。この時わずか百余の手勢しかいなかったそうですが、城主の水野信近(みずの のぶちか)を討ち取って城を焼き払い、灰燼に帰せしめます。
「どうじゃ、今川の意地を思い知ったか!」
この痛快な武勲に駿府の今川氏真(演:溝端淳平)はいたく感激し、感状を与えると共にいぜん召し上げた知行をすべて返したということです。
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