「鎌倉殿の13人」義高、助かるかも?期待させておいてからの…第17回放送「助命と宿命」振り返り:2ページ目
工藤祐経(演:坪倉由幸)&曽我兄弟(演:2人とも不明)
曽我兄弟「人殺し!」
第2回「佐殿の腹」で伊東祐親(演:浅野和之)らの襲撃に失敗して以来、姿を見せなかった工藤祐経。
伊東一族の滅亡後、頼朝の計らいで伊東の旧領を取り戻していいご身分。全身に蚤や虱をたからせていた以前に比べ、こざっぱりしていましたね。
しかし伊東一族の襲撃に際して祐親の長男・河津祐泰(演:山口祥行)を殺害しており、その遺児たち(曽我兄弟)から石を投げつけられる始末。
ちなみに、曽我兄弟の兄を一萬丸(いちまんまる。曽我十郎祐成)、弟を筥王丸(はこおうまる。曽我五郎時致)と言います。
そんなことには構わず、義時に役目の世話を求めてきました。ちなみに祐泰は義時の妻・八重(演:新垣結衣)の兄。とうぜん八重はいい顔をしません。
やがて適当な職を与えられたものの、すぐに更迭。本作では京都育ちで文筆には長けているものの、基本的に武士の資質に欠ける人物として描かれています。
祐経「怖い所だ、この鎌倉は……私が生きていく所ではない」
義時「他に行く所があるのなら一刻も早く出ていくことをお勧めします」
この状況であれば普通に伊東に帰って所領を経営していればいいと思うのですが、史実『吾妻鏡』ではその後も頼朝に仕えて文筆の才能を発揮。
それゆえ後に曽我兄弟の手により暗殺(曽我兄弟の仇討ち)されることに……しばらく先の話ながら、大河ドラマでも恐らく描かれることでしょう。
海野幸氏(演:加部亜門)
信濃国から義高につき従ってきた海野幸氏は、御所から脱出した義高の影武者として命懸けの任務を果たしました。
これは『吾妻鏡』でも同様で、頼朝は12歳の少年にしてやられたと激怒して、幸氏を捕らえます。
しかし頼朝派、わずか12歳で死を覚悟し、身代わりになった忠義を高く評価。義高の死後は幸氏を御家人として召し抱えました。
幸氏としては微妙な心境だったことでしょうが、義仲が義高にあてた遺訓を忠実に守ったものと考えられます。
信濃武士にふさわしく、弓馬にすぐれた幸氏はその後も数々の場面で活躍。曽我兄弟の仇討ちでは頼朝を守って負傷しているほか、頼朝の死後も建仁の乱(建仁元・1201年)や和田合戦(建暦3・1213年)にも出陣しました。
後に鎌倉幕府の存亡を賭けた承久の乱(承久3・1221年)にも出陣していますから、長い登場が期待できそうです。
まだあどけない少年ですが、これから立派な若武者へと成長していくことでしょう。
3ページ目 一条忠頼(演:前原滉)&武田信義(演:八嶋智人)