「鎌倉殿の13人」義高、助かるかも?期待させておいてからの…第17回放送「助命と宿命」振り返り:4ページ目
藤内光澄(演:長尾卓磨)
光澄「謀叛人、源義高。この藤内光澄が討ち取りました!」
任務を忠実に遂行した結果として、下されたご褒美が梟首(きょうしゅ。さらし首)とはこれ如何に……。
劇中ではただ斬った(首はつながっている)まま、固瀬川(現:境川下流域。神奈川県藤沢市)に転がされていました。
トップの心変わりで急遽命令を変更したものの、末端の現場に連絡がいかず、怒りを買ってしまった藤内光澄。現代社会でも、こういう事ってしばしばありますよね。
光澄「何故だ……何故だ~っ!」
いくら義高の死が悲しいとは言え、光澄は命令を忠実に守っただけなのだから……さすがに頼朝も庇おうとしましたが、政子の剣幕に負け、斬らざるを得なかったようです。
政子「殺せなどと言った覚えはありません!」
しかし政子の発した「許さぬ」とはそういうこと……以前の「亀の前事件」に引き続き、御台所としての言葉がいかに重いものであるか、思い知らされたことでしょう。
義時「我らはもう、かつての我らではないのです」
義高を喪い、忠頼を誅し、そして光澄を斬り捨てた義時の悲しみがよく表わされていました。
それにしても……誰もが悲しんだ義高の死、少なくとも父は悼んだ忠頼の死に比べ、誰からも顧られず斬り捨てられた光澄が、実に哀れでなりません。
せめて彼の主人である堀藤次親家(ほり とうじちかいえ。未登場。挙兵以来の側近)くらいは、悼んであげて欲しいものです。
次週・第18回放送「壇ノ浦で舞った男」
他にも源義経(演:菅田将暉)と静御前(演:石橋静河)の出逢いや頼朝の声真似で義高脱出に一役買った阿野全成(演:新納慎也)、義仲の思いを伝えた巴御前(演:秋元才加)に彼女を家中に迎えたい和田義盛(演:横田栄司)など、実に盛りだくさんな第17回でした。
そして次週はいよいよ壇ノ浦。頼朝にとって積年の宿敵である平家一門が滅亡したものの、それでめでたしめでたしとはなりません。
梶原景時「あのお方は、天に選ばれたお方。鎌倉殿も同じだ」
天に選ばれた頼朝と義経の両雄並び立たず、やがて迎える決別を予感させるところへ、義経の不穏なセリフ。
義経「この先、私は誰と戦えばよいのか」
次週は紀行なしの45分フルバージョンとのこと、屋島の戦いから一気に壇ノ浦まで駆け抜ける義経たちの活躍が楽しみですね!
※参考文献:
- 五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡 2平氏滅亡』吉川弘文館、2008年3月
- 『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人 前編』NHK出版、2022年1月
- 『NHK2022年大河ドラマ 鎌倉殿の13人 完全読本』産経新聞出版、2022年1月