日本の仏教に海外の仏教…日本だけでも宗派がいろいろ。いったいどこがどう違うの?:3ページ目
日本で信仰されているのは「大乗仏教」
さて一方、日本で主に信仰されている仏教は「大乗仏教」と呼ばれているものです。こちらは「一切衆生」という仏教用語にも現れているように「誰でも悟りが開ける」と教えていることが特徴です。
「悟りを開けるのは出家した僧侶だけ」と考える上座部仏教に対し「もっと多くの人々に広くお釈迦様の教えを広め、人々の苦しみを直接救っていくべき」と考えた人たちが始めたのが、大乗仏教なのです。
大乗仏教に対して上座部仏教を「小乗仏教」と呼ぶこともあります。「乗」とは「乗り物」のことですが、その乗り物は「悟り」のことと考えることができますね。
大乗仏教は飛鳥時代に、中国・朝鮮半島を経て日本へ伝わりました。中国では社会主義体制の影響で、また韓国では14世紀以降に儒教が国教となったことがあり、仏教はそれぞれ衰退してしまいました。
しかし日本ではそういった深刻な事情がなかったため、現在では世界一の「大乗仏教国」となっています。
そんな日本の大乗仏教は、その後さらに様々な宗派に分かれていきます。その辺りの事情については、改めてお伝えする機会があればと思います。