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おバカじゃなかった説!大河「光る君へ」で残念な子扱いされている藤原道綱(上地雄輔)の意外な才能がコチラ

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道綱からこんな和歌が詠まれるなんて……会場では、人々の感動を呼びました。

「勝者、右方(みぎかた。この場合は道綱)!」

何と、道綱は長能に勝利したのです。

左右は左が上位のため、この手の勝負は多くの場合、左方が勝利しました。

要するに勝利する(であろう)と見込まれた方が左方に配されたものと思われます(例外あり)。

つまり右方の道綱は負けるだろうと思われていたのに、アドバンテージを覆して勝利したと言えるでしょう。

「やったぁ!」

実際あからさまに喜びを体現することはなかったでしょうが、その高揚感は察するに余りありますね。

終わりに

しかし、中にはケチをつける手合いもいたのでしょうか。

「どうせ、母上に代作してもらったんだろうよ」

「そうだ、きっとそうに違いない……」

そんな噂が既成事実化してしまったのか、『拾遺和歌集』では、この和歌が道綱母(寧子)作として伝わっています。

寛和二年内裏歌合に
道綱母
宮こ人ねてまつらめや郭公今そ山へをなきていつなる

※『拾遺和歌集』

これは本当に彼女が出詠したのでしょうか。あるいは、道綱の和歌が実質的に母親作であるからとして、このように記録されたのでしょうか。

実際のところはともかく、道綱もきちんと評価されたらいいですね。

※参考文献:

  • 大曾根章介ら編『日本古典文学大事典』明治書院、1998年6月
  • 角田文衞 監修『平安時代史事典』角川書店、1994年4月

トップ画像(右):大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより

 

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