いつも一緒の仲良し三柱(トリオ)!塩釜神社に祀られている神様たちを紹介:3ページ目
三柱が一緒に祀られている理由は?
さて、それぞれのプロフィールはごくざっくり分かったけど、何でこの三柱が一緒に祀られているの?という疑問が湧いて来ます。
『日本書紀』によれば、塩土老翁神が皇室の初代である神武天皇(じんむてんのう)に「東方によい土地がある」と進言して道案内を務め、朝威にまつろわぬ者たちを征伐するため武甕槌神と経津主神が派遣されたそうです。
「御二柱の武威をもってすれば、ほどなく東国は平定されましょうぞ!」
果たして奥州まで平定すると、任務を終えた武甕槌神と経津主神は去って行きましたが、塩土老翁神は現地(現:宮城県塩竈市)に留まって人々に知恵を授け、末永く祀られるようになったのでした。
……と言うのが、現在の鹽竈神社。全国の塩釜系神社の総本社に当たります。それで塩土老翁神だけでなく、ご縁のあった二柱も一緒にお祀りしているということです。
ちなみに、神奈川県で唯一の塩釜神社は江戸時代末期、仙台藩に奉公した娘が里帰りに際して分霊(※神様の魂を分けること)したことに始まり、現代に至っています。
有名な人気スポットばかりでなく、こういう地元の神社にもそれぞれ立派な神様がいて、お連れしてくるまでの歴史ドラマが隠されているもの。せっかくですから、身近な神社にも興味関心を持っていただけると嬉しいです。
※参考文献:
吉田茂穂 監修『鎌倉の神社小事典』かまくら春秋社、2002年6月
薗田稔ら編『神道史大辞典』吉川弘文館、2004年7月