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日常的に着物を着ていた日本人が何故洋服を着るようになったのか、明治時代の「引札見本帖」に探る【後編】

日常的に着物を着ていた日本人が何故洋服を着るようになったのか、明治時代の「引札見本帖」に探る【後編】:2ページ目

子供服への洋服の浸透

 

この引札では、母親が子供が握る筆に手を添えて字を教えています。この子供が着ているのはセーラー服、つまり洋服です。

セーラー服といえば海軍の機関兵の制服です。
イギリスのヴィクトリア女王が、英王室のヨット乗組員が着ていたセーラー服を大変気に入って、同じデザインの子供服を誂えて1846年(弘化3年)のクルーザーの際にエドワード王太子にその服を着せました。

 

これはイギリス国内で王室に倣って子供服として流行し、この流行はやがて世界的なものとなりました。上掲の引札の男の子が着ているのもその影響だと考えられます。

しかし日本では子供服に洋服を与えられるのは、やはり一部の富裕層のみでした。

次回【完結編】に続きます。

 

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