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「どうする家康」甲斐の虎、ついに始動!そして女城主の壮絶な最期…第11回放送「信玄との密約」振り返り:3ページ目
知らぬは氏真ばかりなり……今川家臣団への調略
穴山「哀れなものよ、今川氏真。知らぬは本人ばかりなりじゃ」
山県「お下知あらば、いつでも駿府を落とせます」
信玄「おぅ、上首尾じゃ」
駿府攻略に向けて、今川家臣団へ調略を仕掛ける武田家。周到な根回しと十分な勝算をもって、初めて精強な軍勢を動かすのが信玄流でした。戦う前から、既に勝負は決まっていたのです。
せっかくなので、劇中に名前の出て来た今川家臣団の名前を拾ってみましょう。
【既に寝返ったと言及あり】
- 庵原⇒庵原弥右衛門(いはら やゑもん)か
- 大原肥前守⇒大原資良(おおはら すけよし)
- 葛山備中守⇒葛山氏元(かずらやま うじもと)
- 瀬名源五郎⇒瀬名信輝(せな のぶてる)
- 三浦右馬助⇒三浦員久(みうら かずひさ)
【間もなく寝返ると言及あり】
- 朝比奈右兵衛⇒朝比奈信良(あさひな のぶよし)
- 一宮六兵衛尉⇒不詳
【その他】
- 富士兵部少輔⇒富士信忠(ふじ のぶただ)
- 菅沼刑部丞⇒菅沼定忠(すがぬま さだただ)
- 奥平美作守⇒奥平定能(おくだいら さだよし)
※名前は地図にあったものを判読。⇒は推定
次々と裏切る今川家臣団。かくして氏真は駿府を追われてしまいました。
かの今川氏真は日にそひ家人どもにもうとまれ背くもの多くなりゆくをみて。甲斐の武田信玄入道情なくも甥舅のちなみをすてゝ軍を出し。駿河の国はいふまでもなし。氏真が領する国郡を侵し奪はんとす。氏真いかでか是を防ぐ事を得べき。忽に城を出で砥城の山家へ迯かくれしに。朝比奈備中守泰能は心ある者にて。をのが遠江の国懸川の城へむかへとりてはごくみたり。
※『東照宮御實紀』巻二 永禄七年-同十一年「信玄滅今川氏」
【意訳】今川氏真は日ごとに家臣の信望を失い、多くの離反者を出した。これを好機と甲斐の武田信玄は甥(氏真)を見捨てて駿河へ出兵。氏真は手立てもなく駿府を放棄、山中へ逃れたところ、朝比奈泰能(あさひな やすよし。備中守)がこれを保護。掛川城へ迎え入れた。
次週・第12回放送「氏真」は掛川城が舞台となるようです。氏真がどこまで善戦するかが見どころとなるでしょう。
なお朝比奈泰能はこの時点で既に亡くなっており、氏真を保護したのは備中守を襲名した嫡男の朝比奈泰朝(やすとも)と考えられます。
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