日本の文化を支える和の色彩感覚
宮崎アニメの美しさを語る時、しばしばその色彩の美しさというところに焦点が当たることがあります。伝統的な民族衣装である着物においても、その色あわせの美しさを楽しむという部分があります。
私たちの生きる日本には四季が存在し、その季節ごとの美しい自然の色彩が溢れています。そうした環境で生まれ育った日本人には、類稀な色彩感覚があるといっても過言ではありません。
虹というと今は科学的に7色で構成されているということが分かっています。しかし、文化圏によっては虹の色は3色・4色など、7色以下の色で表現しているところもあるのです。
同じものを同じように見ているのに、なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?そのヒントとしてあるのは、色の名前の多さです。実は色というのは名前を知らなければ判別ができないと言われています。
例えば日本には「赤」という色であっても、「朱色」「紅」「赤錆色」「茜」「金赤」など様々なバリエーションがあります。日本の色の名前(和色)を知る時には以前Japaaanで紹介した様々なツールがとても役立ちます。
デザインに使える!日本の伝統色を調べられるツール・アプリまとめ
しかし、文化圏によってはこれらの色は全て「赤」とだけ表現されるというところもあるのです。中には黄色やオレンジも全て「赤」と認識されるところもあるということですから、当然私たち日本人とそうした地域の人々とでは色彩感覚にも大きな違いが出てくるというわけです。
日本文化の底には、様々な美しい色を感じ取ることができる日本人の色彩感覚があるというふうに言えるでしょう。