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【どうする家康】戦国版”走れメロス”鳥居強右衛門とは何者か?忠義を貫いた最期がコチラ:3ページ目
「援軍が来るぞ!」命を捨てて忠義の雄叫び
……城中之衆出而。聞給へ。鳥居寿祢右衛門こそ。志のびて入とて召とら寿。如此に成而候へと申たれバ。ことこと出而寿祢右衛門かと云。其時。寿祢右衛門申たるハ。信長は出させ給ハぬと申せ。命を扶け、其故地行チくれんとハ申が。信長は岡崎迄御出馬有ぞ。上之助殿ハや■た迄御出馬也。先手ハ。市之宮本野が原に。まんまんと陣取而有。家康信康ハ。野田へう津らせ賜ひて有。城けんご尓毛ち給へ。三日之内に御うんをひらかせ給ふべしと。……
「みんな、聞こえるか!強右衛門じゃ!」
すると城内から仲間たちが、わらわらと顔をのぞかせます。
「織田殿の援軍が、すでに岡崎まで参られた!先手はもうすぐそこまで、我らが両殿(家康、信康)は野田までおいでじゃ!城を堅固に保たれよ、さすれば三日の内にご武運開けようぞ!」
……此由を奥平作志うと。同九八郎殿と。親子の人へ。よく申せと云たれバ。帰つて敵の■よ見を云や■奈れバ。はやくとゞめをさせとて。とゞめをぞさしける。……
※大久保彦左衛門『三河物語』第三下
これを聞いた長篠城兵は大いに奮い立ち、奥平貞能(さだよし)・信昌父子は強右衛門の忠義に感動したのでした。
終わりに
一方、当ての外れた勝頼はただちに強右衛門を殺させますが、これがかえって長篠城兵の士気を高めてしまう結果に。
「各々方、強右衛門の死を無駄にすまいぞ!」
「「「応!」」」
かくして徳川・織田連合軍が到着し、5月21日の長篠合戦が幕を開けるのでした。
名もなきヒーロー、戦国版“走れメロス”
鳥居強右衛門 とりい・すねえもん
[岡崎体育 おかざきたいいく]“ろくでなし強右衛門”と呼ばれる、ふだんはやる気も勇気もない奥平家の地侍。武田軍に攻め込まれ、絶体絶命の長篠城を救うため、武田包囲網を突破して、岡崎城の家康のもとに助け求めるミッションを帯びる。走ると自然に歌を口ずさむ癖がある。
※NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイト(登場人物)より
命がけで味方の窮地を救った鳥居強右衛門。この「ろくでなし」設定がどのように活きるのか(そもそも要るのか)、大河ドラマのアレンジに注目ですね!
※参考文献:
- 『日本戦史材料 第貮巻 三河物語 全』国立国会図書館デジタルコレクション
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