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【どうする家康】戦国版”走れメロス”鳥居強右衛門とは何者か?忠義を貫いた最期がコチラ:2ページ目
「城兵に降伏を勧めれば、助けてやろう」
……勝頼之御前へ引出ス。勝頼ハ聞召。其儀奈らバ。汝が命ハた寸け置。国へ召■れ。過分に地行を可出。然者は里付にかけて城へ見せだき。其時ちか■き共をよび出して。信長ハ不出候之間。城を渡せと申候へ。其時汝を■おろ志なんと云け寿バ。……
引き出された強右衛門に、勝頼は言いました。
「そなたの命は助け置く。それどころか、国許に過分の知行もくれてやろう。しかしその前に、条件がある」
もちろん、上手い話には裏があるもので……。
「長篠城から見えるところで、そなたを磔にかける。そなたは城内に向かって『織田の援軍は来ぬ。諦めて武田に城を明け渡されよ』と言うのじゃ。さすればそなたを助けてやろう」
つまり「さもなくば磔のまま処刑する」という脅しです。
さぁ困りました。命を惜しんでそんなことを口走っては末代までの恥。しかしこの場で拒否したら、ただちに殺されて城内に援軍を知らせられません。
……寿祢右衛門申ハ。忝奉存候命さえ御た寸け候ハゞ。何たる事を成共可申候に。あまつさへ御地行を可被下と。御意之候ヘバ。目出度事何かあらんや。はやはや城ちかくに。はた物にあげさせ給へと申たれバ。其ごとく城ちかくに。かけたれバ。……
そこで強右衛門は答えます。
「命をお助け下さるだけでもかたじけなく存じ奉り候ものを、さらに知行まで下さるとは、お断りする理由などございませぬ」
という訳で、さっそく強右衛門は磔にかけられ、長篠城内へ向かって大音声を張り上げました。
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