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「どうする家康」まさか、本当にやっちまった!?第27回放送「安土城の決闘」振り返り:6ページ目
その他、ツッコミまとめ
(1)酒井忠次(演:大森南朋)が「この3年間、信長を殺すことだけが生きる支えだった」なんて言っていますが、本作の信長は「瀬名と信康を殺せ」とは言っていません。
信長はむしろ瀬名と信康の処分を家康に一任していますし、更には「築山の謀」の総責任者となった家康は一切お咎めなし。こんな寛大すぎる処分に対して、逆恨みもいいところでは?
(2)光秀はなぜ「何も細工はしていません」なんて家康たちの前で言ってしまったのか。ドジにもほどがあります。信長に対する嫌がらせですか?
家康の狡猾さをアピールするために光秀を下げに下げまくっていますが、それは信長の不明(こんな無能者を重用してしまう、見る目のなさ)を露呈する結果となってしまいました。
(3)一方で、光秀の不始末に対して、信長もキレ過ぎです。客人の前で使用人に暴行を加えるなど、正気の沙汰ではありません。
『川角太閤記』などでも信長が光秀を咎めているor森乱に折檻されているのはバックヤードでのこと。お客様の前でスタッフを叱りつけて悦に入っているオーナーなんて三流です。
(4)信長の「殺しに来い」を真に受けるアホがいますか。まず罠だと警戒するくらいのセキュリティ意識が欲しいところです。
たとえ信長暗殺に成功しても、信長が事前に「犯人は家康」と伝えておけば各地の織田家臣&織田信忠(のぶただ。信長嫡男)が総がかりで仇討ちに来る=完全包囲されると想定できませんか?
「信長さえ討ち取れば、わしが次の天下人」……そこにみんなが認める大義はありますか?
(5)本能寺の周辺に伊賀者を500名配置したと言いますが、そんだけの兵数を集めているなら、この後に待っているであろう神君伊賀越え(三河への逃避行)では何の苦労もなかったことでしょう。
(6)羽柴秀吉&羽柴秀長(演:川島隆太)、まさかのサボり。毛利方の高松城を完全包囲しているとは言え、後詰(ごづめ。援軍)による奇襲などには警戒しなかったのでしょうか。
※確かに当時の毛利家は劣勢でしたが、それは現代の私たちだから知っていること。当時の秀吉たちが毛利家の内情を完全に把握していたとは考えられません。
なお、実際に毛利の援軍(秀吉の書状によれば5万、『惟任退治記』によると8万とも)は来ていました。
実際には内情の苦しさから、1万程度ではなかったかとする説もありますが、いずれにしても総勢3万ほどの羽柴軍が完全に油断できる数ではありません。
(7)そして間もなく本能寺の変が起こると知った上で、いわゆる「大返し」の準備をさせておく秀吉。彼らはきっと、未来人なのでしょうね。
……こんなところにしておきます。
第28回放送「本能寺の変」
さて、終盤いきなり燃えた本能寺。
劇中の流れを見れば本当に家康がやってしまったのかと思わせながら、次週では「実は光秀でした」という展開が予想されます。
第28回放送は「本能寺の変」。予告編から察するに、信長の最期と家康の逃避行(伊賀越え)が描かれるのではないでしょうか。
果たして本能寺の黒幕は家康だったのか?岡田信長の最期がどのように描かれるのか、次週も眼が離せませんね!
※参考文献:
- 『NHK大河ドラマ・ガイド どうする家康 後編』NHK出版、2023年5月
- 『徳川実紀 第壹編』国立国会図書館デジタルコレクション
- 『川角太閤記 上巻』国立国会図書館デジタルコレクション
- 太田牛一『信長公記 巻下』国立公文書館デジタルアーカイブ
- 小和田哲男『戦争の日本史15 秀吉の天下統一戦争』吉川弘文館、2006年10月
- 柴裕之『織田信長 戦国時代の「正義」を貫く』平凡社、2020年12月
- 谷口克広『戦争の日本史13 信長の天下布武への道』吉川弘文館、2006年12月
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