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伊賀、伊豆、伊勢、伊予……伊藤さんのルーツ・旧国名につく「伊」の意味は?それぞれの語源も紹介:2ページ目
伊豆国(いずのくに)
現代の静岡県伊豆半島を指し、歴史好きな方には「頼朝公の挙兵」「韮山反射炉」などのエピソードが有名です。
歴史的仮名遣いの「いづ(出づ)」は「出てくる」ことを意味しており、海に大きく突き出た半島の地形を表わした国名となっています。
また、「豆」の字は「頭」に通じ、鎌首を持上(もたげ)た蛇の頭を連想させる地形に「伊」を冠して強調。伊豆国は戦国の梟雄・北条早雲が下剋上を果たした土地でもあり、蛇のような野心に何かと因縁があるのかも知れません。
伊勢国(いせのくに)
現代では三重県の大部分を占める律令国で、世界中から億単位の参拝者が絶えない伊勢の神宮が有名です。
その語源は、国津神(くにつかみ。元から住んでいた神様)である伊勢津彦(いせつひこ)に国を譲らせた初代・神武天皇が、伊勢津彦の名を国名に採ったことが『伊勢国風土記』にあります。
勢(せ)とは文字通り「勢い」を表わし、そこに強調の伊を冠することから、非常に激しい神だったのでしょう。
事実、風の神である伊勢津彦は国を譲る時、決して戻らない証として激しい波風を立てながら東方へ走り去ったと言われており、以来、台風が東海・近畿方面を直撃しても、なぜか伊勢一帯だけは穏やかな天気であることが多いようです。
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