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「どうする家康」おんな城主お市の最期。茶々に受け継がれる天下取りの野望。第30回放送「新たなる覇者」振り返り:5ページ目
その他、細かなツッコミや豆知識など
劇中で「織田家の血筋が欲しい」と言っていた秀吉。しかし彼は既に、信長の四男を養子に迎えています。
その名は羽柴秀勝(はしば ひでかつ)、養父より早く亡くなってしまいますが、この時点ではまだ元気です。山崎の合戦(前回放送)でも活躍しました。
加えて、少し後に信長の娘を側室(または妾)としています。彼女は伏見城の三ノ丸に住まいを与えられたことから三ノ丸殿(さんのまるどの)と呼ばれ、秀吉最晩年を共にしたそうです。
何で私が猿の妾に!?主従逆転し羽柴秀吉に嫁いだ織田信長の娘「三ノ丸殿」とは?
井伊万千代、改め井伊直政(演:板垣李光人)が、家康から武田の精鋭部隊「赤備え」を託されたことは『徳川実紀』などに記録があります。同書ではこれに榊原康政(演:杉野遥亮)が嫉妬して「刺し違えて死んでやる」と怒り狂い、酒井忠次(演:大森南朋)に叱られた記述もあるので、よかったらぜひ。
あと、於愛(演:広瀬アリス)さん。あなた仮にも自分の夫を助けてくれた恩人・本多正信(演:松山ケンイチ)に対して「イカサマ師殿」は失礼すぎでしょう。その呼び名が何を意味するかくらいは解っているはず。
(※もしこれが亡き聖母瀬名なら、みんなが悪口を言う中で「本多殿」「佐渡殿」などキチンと呼んで差別化を図ったのかも知れませんね)
あと本当にどうでもいいのですが、炎上する北ノ庄城を前に「我が妻(予定。お市)よ……」をうわ言を垂れ流していた秀吉のすぐ後ろに、おね(秀吉正室)さんが立っていて欲しかったです。もう叱り飛ばしてくれる信長もいませんしね。
第31回放送「史上最大の決戦」
勝家らの滅亡から程なくして、信孝は信雄の命で自害に追い込まれてしまいます。
昔より 主(しう)を内海(うつみ)の 野間(のま)なれば
報いを待てや 羽柴筑前(はしばちくぜん。秀吉)
※『川角太閤記』など
【意訳】昔から、主を殺した者が栄えたことはない。秀吉よ、天罰が下るのを震えて待つがよい!
信孝が自害した尾張国内海野間荘(愛知県知多郡美浜町)は、かつて源氏の棟梁・源義朝(みなもとの よしとも。頼朝父)が郎党の長田忠致(おさだ ただむね)に暗殺された因縁の地でした。
はっはっは、負け犬が何とでも吠えるがよいわ……何はなくとも邪魔者を滅ぼし、織田家を継いだ信雄。しかし笑って居られたのも束の間、あっという間に織田家を秀吉に乗っ取られ、家康に泣きつくことになるのです。
それが次回「史上最大の決戦」こと小牧・長久手の合戦につながるものと予想されます。
どうも本作の家康にとっては、お市の仇討ちでしかないようにも思えますが、とにかく家康と秀吉が激突さえすれば盛り上がるのです。果たしてどんな死闘が繰り広げられるのか、次週も目が離せませんね!
※参考文献:
- 『NHK大河ドラマ・ガイド どうする家康 後編』NHK出版、2023年5月
- 『徳川実紀 第壹編』国立国会図書館デジタルコレクション
- 小和田哲男『織田家の人びと』河出書房新社、1991年10月
- 黒田基樹『戦国 北条一族』新人物往来社、2005年9月
- 柴裕之『シリーズ【実像に迫る】清洲会議 秀吉 天下取りへの調略戦』戎光祥出版、2018年9月
- 『勇猛・悲壮辞世の句150戦国武将・維新志士・帝国軍人…日本男児が遺した最期の言葉!』ダイアプレス、2016年8月
- 『賤ヶ岳の戦い「秀吉VS勝家」覇権獲得への死闘』学研プラス、1991年5月
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