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大河ドラマでは割愛されたけど…今川義元も感激した松平元康の見事な初陣がコチラ【どうする家康】
しかし考えてもみて下さい。いざ寺部城を攻める現場に立つと、往々にして目の前の敵を倒すことばかりに気が向いてしまうもの(ゲームのように戦場全体を俯瞰する視点はなかなか持てないのが普通です)。
ただ我武者羅に突撃して敵を倒したくなる血気を抑えて周囲の状況を把握し、次につながる最善の手を最小限のコストで打った(長滞陣は出費がかさみます)元康の采配は、ベテランでもなかなか出来るものではありません。
実際に寺部城はその後(無理押ししたような記録もなく)攻略できているので、元康の初陣が少なからぬ効果を上げていることは確か。戦争で最終的な勝利をつかむには、その場限りの戦闘だけではなく、中長期的な視点が求められます。
と、理屈では解っているつもりでも、いざ現場に立ってみると興奮のあまり忘れてしまうのが(筆者のような)凡人の悲しいところ。17歳でこの采配、やはりただ者じゃありません。
もちろん、元康だって生まれつきこんな資質を備えていた訳ではなく、彼に英才教育をほどこした今川の名僧・太原崇孚(たいげん すうふ/そうふ。太源雪斎)の存在がありました。
桶狭間の敗北は太源雪斎が(既に病死して)いなかったから、とまで言われた彼と竹千代のエピソード(修行時代)も、大河ドラマで描いて欲しかったところです。
終わりに
以上、『徳川実紀』より松平元康の初陣エピソードを紹介してきました。劇中ではナレーションで片付けられてしまいましたが、ちょっと勿体なかったのではないでしょうか。
17歳で後詰にまで気を行き届かせ、最小限のコストで最大限の戦果を次につなげた見事な采配は、家臣や義元が感激するのも解ります。
「背中に気をつけろよ?甥っ子ぉ……」
第3回放送「三河平定戦」で伯父の水野信元(演:寺島進)に笑われていました(実際に刈谷城攻めの最中、後詰の襲撃にうろたえて逃げ出していました)が、もし実際の元康がこの場面を見たら、果たしてどう思ったでしょうか。
今後、松本潤演じる大河元康が名将に成長していく姿を、これからも楽しみに見届けたいと思います。
※参考文献:
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