最終回まで残り3話…道長を捨ててはばたくまひろ。「光る君へ」史実を基に11月24日放送を振り返り:4ページ目
平安貴族のお作法:ミスを指摘する時は?
頼通「老害たちがミスばかりするのに、なかなか引退してくれません(要約)」
道長「そういう時は激しく非難していじめ抜き、出勤拒否を誘うのだ(要約)」
頼通「父上じゃあるまいし、そんなえげつないこと出来ません(要約)」
道長「バカもん、それが政治というものだ……(要約)」
現代語に直すと、かなり残念感が増しますね。しかし現代も似たようなものですから、彼らを笑ってばかりもいられません。
ところで平安貴族が相手のミスを指摘する時、激しく非難するなんてはしたないことはしなかったようです。
ではどうするのか?直接言うのではなく、合図を出して当人に気づいてもらうというお作法がありました。
その一例が咳唾(がいだ)と弾指(だんし)。読んで字のごとく「咳(せき)払い」と「唾吐き」、そして「指を弾く」という意味です。
咳払いは分かりますが、唾を吐くのはいただけませんね。実際に唾を吐くのではなく、要するに舌打ちでした。
指を弾くとは、現代で言う指パッチン。儀礼の最中、厳かな空間に指パッチンが響き渡る光景は、なかなかシュールですね。
後は「目配せ」。これは当人に気づいてもらうと言うより、仲間同士のコミュニケーションに用いられました。
(おい。あいつヘマしたぞ)
(あぁ、作法からはずれたな……)
いっそその場で教えて欲しいところですが、面と向かっては言わず、日記で悪口を書き連ねるのが平安貴族。
かくして『小右記』など貴族の日記には、他人のミスが目白押しとなるのでした。
第46回放送「刀伊の入寇」
まひろ(吉高由里子)は念願の旅に出て、亡き夫が働いていた大宰府に到着。そこでかつて越前で別れた周明(松下洸平)と再会し、失踪した真実を打ち明けられる。その後、通訳として働く周明の案内で、政庁を訪ねるまひろ。すると鍛錬中の武者達の中に、双寿丸(伊藤健太郎)を発見する。さらに大宰権帥の隆家(竜星涼)に、道長(柄本佑)からまひろに対するある指示を受けたと告げられる。そんな中、国を揺るがす有事が…
※NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより。
大宰府で周明(松下洸平)と再会し、いい感じになるまひろ。いい歳して何やってんだと思いますが、ビッグイベント「刀伊の入寇」に巻き込まれに来たのです。
当時眼病治療のため大宰権帥となっていた藤原隆家(竜星涼)が騎馬武者姿で勇ましく、異民族の襲来を迎え撃ちました。
※たぶん隆家が武装して前線指揮をとるようなことはなかったと考えられています。ドラマを盛り上げる演出と思ってください。
本作における数少ない合戦シーンがどのように描かれるのか、来週も楽しみですね!
トップ画像:大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより