最終回まで残り3話…道長を捨ててはばたくまひろ。「光る君へ」史実を基に11月24日放送を振り返り:3ページ目
道長の栄華を描いた『栄花物語』
源倫子(黒木華)の依頼を受け、道長の輝かしい人生を描くこととなった赤染衛門(凰稀かなめ)。
長年の主君から抜擢されたことは光栄ながら、恐らく「藤式部に断られたんだな」と察してはいたでしょう。それでも野暮は言わないお約束です。
かくして赤染衛門が書いたと言われる作品が、その名も『栄花物語(えいがものがたり)』。多くの方が「まんまやないかい!」と思ったことでしょう。
この『栄花物語』は全40 巻で構成され、うち30巻(道長の死まで)が赤染衛門の作と考えられています。
その内いくつかを見てみましょう。
道長が権力を握る「みはてぬ夢(第4巻)」、彰子が一条天皇の中宮となる「かかやく藤壺(第6巻)」、彰子が皇子を生む「はつ花(第8巻)」。
道長が一家三后を果たす「浅緑(第14巻)」、道長が出家する「うたがひ(第15巻)」、そして道長が大往生を遂げる「鶴の林(第40巻)」。
煌(きら)びやかなばかりではありませんが、道長が歩んだ人生を輝かしく描き上げました。
永年倫子に仕えた彼女だからこそ書ける物語。藤式部とはまた違った魅力が、千年の歳月を越えて愛されています。