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作家デビューしたまひろ、娘に原稿を燃やされスランプに…大河ドラマ「光る君へ」8月4日放送振り返り

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小ネタちょいちょい

第30回放送「つながる言の葉」では、小ネタがちょいちょい入っていましたね。いくつかピックアップしておきます。

まひろ「和歌は人の心を種として、それがさまざまな言の葉になったもので……」

これは『新古今和歌集』仮名序(紀貫之)の解釈です。

やまとうたは、人のこゝろをたねとして、よろづのことのはとぞなれりける。よの中にあるひとことわざしげきものなれば、心におもふ事を、みるものきくものにつけていひいだせるなり。はなになくうぐひす、みづにすむかはづのこゑをきけば、いきとしいけるものいづれかうたをよまざりける。ちからをもいれずしてあめつちをうごかし、めに見えぬおにかみをもあはれとおもはせ、をとこをむなのなかをもやはらげ、たけきものゝふのこゝろをもなぐさむるはうたなり。(以下略)

【意訳】……(劇中で言及の部分は割愛)……花にとまるウグイス、水にすむ蛙(かはづ)の声を聞けば、生命あるすべてが歌を詠まないことはない。力を入れずに天地を動かし、鬼神さえも感動させ、男女の絆を深め、荒々しい武士(もののふ)の心を慰めるのが和歌である。

……和歌とは何たるかをいかんなく表した名分として今日に伝わっていますね。

人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道に惑ひぬるかな

【意訳】親心は闇ではないが、子を思うと道に迷ってしまうものだ。

これは紫式部の曾祖父・藤原兼輔が詠んだ和歌。『源氏物語』で26回も引用されるほど気に入っていたようです。

まひろが生まれた時点ではとっくに落ちぶれていたものの、兼輔の代は中納言にまで昇っており、往時を羨んだのかも知れませんね。

藤原頼通「敢えて問う、兵は率然の如くならしむべきか。曰わく可なり。夫(それ)呉人(ごひと)と越人(えつひと)の相悪(にく)むや、其の舟を同じく済(な)りて風に遇うに当たりては、其の相い救うや左右の手の如し」

『孫子』の故事成語「呉越同舟(ごえつどうしゅう)」を勉強しています。日ごろは憎みあっていても、同じ舟に乗って嵐に遭えば、左右の手のごとく助け合う喩えです。

頼通もいつか、呉越同舟の事態に直面するのでしょうか。

第31回「月の下で」は8月18日(日)放送!

安倍晴明「今、あなた様のお心の中に浮かんでいる人に会いにお行きなさいませ。それこそがあなた様を照らす光にございます」

安倍晴明に勧められてまひろを訪ねた道長。そこで「我が子」藤原賢子と初対面……と思ったら、そう言えばおじじ様とお出かけでしたね。

逆に「水入らず」で話せて好都合……って、絶対に勘づかれますよね?奥様方に。

次回「月の下で」二人はロマンチックな逢瀬を楽しみ、一方家庭内は修羅場……な展開なのでしょうか。

そして皆さんお待ちかね「いづれの御時(おおんとき)にか」……ついに『源氏物語』が世に出るようです。

まひろ「おかしきことこそめでたけれ」
道長「直秀も月におるやも知れんな」

次週はお休みなので、再来週の修羅b……展開を心待ちにしましょう!

トップ画像: 大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより

 

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