鬼ではなく神様です!来訪神「なまはげ」の意味と由来は?全国にいるその他の来訪神も紹介:2ページ目
なまはげに似た各地の行事
さて、実はこの「なまはげ」に似た行事は秋田だけのものではありません。いえ、そもそも秋田県内でも男鹿市・三種町・潟上町の一部などの各地で行われているのですが、実は日本全国にもなまはげの仲間と思われる行事があるのです。
例えば、鹿児島県の甑島に伝わる「トシドン」。これも古くから島に伝わる来訪神の行事で、大晦日の夜に行われるという点がなまはげと共通しています。長い鼻に大きな口という特徴的な仮面を着けて、家々を訪れては悪い子どもを戒めます。
また、ほかにも、石川県「アマメハギ」は、水木しげるの妖怪の本を読んだことがある人なら一度は見たことがあるのではないでしょうか。これは能登半島に伝わるもので「メンサマ」とも呼ばれます。天狗面などの仮面をつけて家々を訪れ、災厄を祓います。
岩手県吉浜の「スネカ」というのもあります。岩手県大船渡市三陸町の吉浜地区に伝わる行事で、奇怪な面と藁蓑姿のスネカが小正月の夜に地区内の家々で怠け者や泣く子を戒めます。
鹿児島県薩摩硫黄島の「メンドン」というのもあります。やはり奇怪な姿で八朔の行事日となる旧暦の8月1日・2日に現れて、人々の邪気を祓ってくれます。
これらに共通しているのは、異形の神様が家々を訪れて、住民の怠け心を始めとする悪いモノを取り除いてくれるという点です。