豆に宿りし霊的パワー!日本古来から信じられてきた、豆類が持つ悪霊を退散させる力とは?:3ページ目
豆と霊的パワーの関係
さて、もともと日本では、豆と霊的な力を結び付けて考えられることが珍しくありません。これは古代からの穀霊信仰に由来しています。
五穀(米、麦、ひえ、あわ、豆)は生命を育む重要な食物であり、それぞれに霊的な力が宿ると信じられてきました。
特に豆はその力が強く、悪霊を退散させる力があるとされ、節分の豆まきなどの儀式に用いられてきました。
これは、豆の生命力の強さから連想されたイメージだと思われます。豆類は四季を通じて育つことから、生命の再生や繁栄を象徴するとも考えられてきたのです。そのため、豆は祝い事や祭りの際にもよく使われ、人々の生活の中に深く根ざしてきました。
金時豆もまた、その豊かな色と形、味わいから、特別な力を持つとされてきたのです。坂田金時という人並外れた力を持つとされるヒーローの名前が与えられたのも、ゆえなきことではないのです。
現代社会では、こうした豆と霊的な力との関連性は薄れつつあります。それでも、節分の豆まきやお正月のおせち料理に豆を用いるなど、古い習慣の名残は今もなお私たちの生活の中に息づいています。
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参考資料:公益財団法人 日本豆類協会