「鎌倉殿の13人」鎌倉を火の海に。ついに勃発、和田合戦!第41回放送「義盛、お前に罪はない」予習:3ページ目
5月2日・その三「朝比奈義秀かく戦えり」
さて、次の獲物を求めて義秀が走っていくと、筋替橋(政所前の橋)で足利義氏に遭遇しました。
「獲物じゃ!」「ひいっ!」
たちまち逃げ出そうとした義氏ですが、義秀はその鎧袖をつかんで放しません。
「逃がすかよ!」
鎧袖を引き寄せた義秀。しかしあまりの怪力が仇となり、鎧袖が引きちぎれてしまいました。何重にも糸(組紐)でつなぎ合わせた鎧袖を引きちぎるとは、尋常ではありませんね。
ちなみに、似たようなエピソードは畠山重忠(演:中川大志)と巴御前(演:秋元才加)の一騎討ちや平景清(たいらの かげきよ。藤原景清)の錣(しころ。兜の後頭部を守る部分)引きなどが有名です。
なおも追いすがる義秀。しかし乗っている馬が疲れてしまって追いつけません。ついでと言っては何ですが、主君(義氏)を守ろうと立ちふさがった鷹司冠者(たかつかさのかじゃ)を斬り捨てています。
義氏を取り逃がしてしまった義秀、今度は米町口(よねまちぐち。現:大町一丁目辺り)で武田信光(たけだ のぶみつ。武田信義の子)と出会いました。
「今度は腰抜けじゃなさそうだな!」
「吐(ぬ)かせ、武田五郎が逃げるかよ!」
いざ手合わせ、という段に及んで割って入ったのは武田信忠(のぶただ)。信光の子で、人からは悪三郎(あくさぶろう)の二つ名で呼ばれる武闘派です。
「こんなヤツ、父上が相手するまでもありませぬ!」
「……てめぇの親孝行に免じて、見逃してやらぁ!」
決死の覚悟で父を守ろうと挑んでくる信忠に、義秀は感心。そのまま馬首を返して立ち去りました。
さて、夕方から始まった戦闘は深夜になっても止まることなく、泰時は和田勢と一進一退の攻防を繰り広げます。
「さすがに疲れた。いったん浜へ退け!」
和田勢は由比ヶ浜へ後退。その勢いに乗じて足利義氏・八田知尚(ともひさ。知家の子)・波多野経朝(つねとも。忠綱の子)・瀬田実季(せた さねすえ)らが攻めかかったのでした。