男好きの平賀源内を蕩かせた吉原の魅力とは…【大河べらぼう】1月12日放送の振り返り解説:2ページ目
平沢常富(尾美としのり)について
松葉屋で貧家銭内(平賀源内)を見つけ、呼びかけたことで蔦重の活路を開いた平沢常富(ひらさわ つねとみ)。かねて色男を自称しており、吉原通いで知られていました。
平沢常富は武士(出羽国久保田藩士・江戸留守居役)でありながら、戯作者・狂歌師などとしても活躍した文化人です。
戯作者としては朋誠堂喜三二(ほうせいどう きさんじ)、狂歌師としては手柄岡持(てがらの おかもち)。他にも亀山人(きさんじん)や道陀楼麻阿(どうだろう まあ)など、ユニークな筆名を使い分けていました。
勤めの余技として黄表紙や狂歌など、数々の創作で好評を博し、田沼政権時代には「天明狂歌」と呼ばれる一大ブームの牽引者となります。
やがて天明8年(1788年)に黄表紙『文武二道万石通』を上梓。これは松平定信による文武奨励政策(後世にいう寛政の改革)を風刺したもので、当局の怒りを買ったのは言うまでもありません。
主君・佐竹義和(久保田藩9代藩主)から厳しく叱責されたため、黄表紙からは手を引き、もっぱら狂歌に専念したそうです。
はたして作中ではどんな作品を披露してくれるのでしょうか。楽しみにしています。