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大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る 「どうする家康」夢破れて瀬名が逝く。第25回放送「はるかに遠い夢」振り返り

「どうする家康」夢破れて瀬名が逝く。第25回放送「はるかに遠い夢」振り返り:7ページ目

ところで「築山の謀」は、どこまで成果が出たの?

「国なんかどうでもいい」

……言ってくれやがりました「我らが神の君」。公権力をふりかざす為政者として、一番言ってはならぬセリフです。

確かに妻子が可愛いのは人として当たり前。しかしその地位にあり、恩恵を受けてきた以上、果たすべき務めがあります。

いったい石川数正(演:松重豊)や左衛門尉らは、今まで殿にどんな教育をして来たのか。

「いつか大切なものを守るために命をかける時がくると……今がその時なのです」

ドヤ顔で語る瀬名。あなたの大切なものが仮に家族(夫と息子、そしてフェイドアウトした娘など)だとしましょう。

あなたが今回ぶち上げたユートピア計画で夫が苦境に陥り、息子は切腹してしまったのですが、その事についてどう思われますか?

また国をあげての八百長に振り回された家臣や領民たちに対して、何か言うべきことはありませんか?

(※個人的には、2年間もかけて外交交渉など行った成果について伺いたいところです。上杉が、北条が、佐竹が、蘆名が、伊達が、南部がどんな反応をしたのか興味深く思います)

そういう「私の見えないところで他人が苦しもうが死のうが与り知らぬ」と言わんばかりの態度がいただけません。これは家康にも言えることです。

そもそも身代わりに生きた人間(恐らく領民。たぶん罪人ではない)を使おうとする当たり、かつて三河を「わしの家」と発言した本音が透けて見えます。

厭離穢土・欣求浄土……あの世の登譽上人(演:里見浩太朗)や、家康を糾弾した本多正信(演:松山ケンイチ)らが泣いていることでしょう。

8ページ目 第26回放送「ぶらり富士遊覧」

 

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