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大河ドラマ「どうする家康」史実をもとにライター角田晶生が振り返る 暗殺された夫の遺志を継いだ女城主・田鶴(関水渚)の奮戦と壮絶な最期【どうする家康】

暗殺された夫の遺志を継いだ女城主・田鶴(関水渚)の奮戦と壮絶な最期【どうする家康】

椿姫と謳われる女城主
田鶴 たづ
[関水渚 せきみずなぎさ]
鵜殿長照の妹。瀬名とは幼少からの友人。のちに今川と徳川が敵対関係となっても、瀬名との友情関係は続いた。今川家の家臣・飯尾連龍に嫁ぐが、夫亡き後は城主として引間城を守った芯の強い女性。

※NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイトより

今川義元(演:野村萬斎)の討死後、斜陽の著しい今川家。家督を継いだ今川氏真(演:溝端淳平)を見限る者が続出し、飯尾連龍(いのお つらたつ。別名:飯尾致実)もその一人でした。

徳川家康(演:松本潤)と内通していたのが発覚して暗殺された連龍。未亡人となった田鶴(演:関水渚)はにわかに女城主として引間城(現:浜松城)を守り抜きます。

今回は『改正三河後風土記』より、お田鶴の方の奮戦ぶりを紹介。NHK大河ドラマ「どうする家康」の予習になることでしょう。

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「……何と、夫が!」

駿府で連龍が暗殺されたとの報せを受け、田鶴は城兵を指揮して守りを固めます。

「よいか、非道の駿府(今川氏真)などもはや主君にあらず。間もなく大軍を送り込んで参ろうが、城を枕に討死し、武門の節義をまっとうするのじゃ!」

田鶴は小国(静岡県周智郡森町)の武藤刑部丞(むとう ぎょうぶのじょう)へ武田信玄(演:阿部寛)との連携を取り持つよう依頼。今川との決戦を前に、打てる手は尽くしておきたいところです。

「……ほう、飯尾殿が?」

連龍の未亡人がけなげに引間城を守り抜こうと覚悟した情報を聞きつけ、家康は松下覚右衛門(まつした かくゑもん)と後藤太郎左衛門(ごとう たろうざゑもん)を派遣。飯尾家臣の江間安芸(えま あき。安芸守)および江間加賀(かが。加賀守)と交渉に及びました。

「城を引き渡さば、御身の安全はもちろんのこと、幼子たちも御養育申し上げましょう」

しかし田鶴は家康の条件を断固拒否します。

「おのれ松平め、女子(おなご)なれば侮りおるか……武家に生まれ武家へ嫁いだ以上、夫の城は命に代えても譲りませぬ!」

再三の交渉も功を奏さず、ついに家康は引間城を攻めることに。酒井忠次(演:大森南朋)と石川数正(演:松重豊)を総大将に差し向けました。

「来おったな……面白い。よいか、三河の成り上がりなど何するものぞ、遠州武士の意地を見せてやれ!」

「「「おおぅ……っ!」」」

2ページ目 女子(おなご)と見くびっておったが、やりおるわい

 

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