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「墨田区業平」の由来はやっぱり歌人・在原業平?複数の由来説と伝承が産まれた経緯:2ページ目
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力士が由来?
他にも、業平の地名の由来として「成川運平」という力士が関係しているという説があります。
成川運平は江戸時代初期に南蔵院に葬られたとされる人物です。
彼は名前のはじまりと終わりを取って「成平」と呼ばれていました。また、平安時代のプレイボーイで知られる在原業平のように容姿が美しかったそうで、そのため「今業平」とも呼ばれていたとか。
これが、南蔵院に伝わる業平塚の伝承とごっちゃになったのではないかと言われています。
いずれにせよ、在原業平と墨田区業平との関係は深いようです。これは業平が主人公のモデルとされる、『伊勢物語』に由来していると思われます。
『伊勢物語』東下りの段で、主人公は都に自らの居場所はないと考えて東国へ下り、隅田川に着きます。そこで都鳥という鳥を見つけて詠ったとされるのが「名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」という有名な歌です。
『伊勢物語』を読んだ人々が想像を膨らませていくうちに、長い時間をかけてさまざまな伝承がごっちゃになったのかも知れませんね。
参考資料
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