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伊達政宗はなんと江戸幕府転覆を目論んでいた!?「慶長遣欧使節」に秘められた野心とは【後編】

伊達政宗はなんと江戸幕府転覆を目論んでいた!?「慶長遣欧使節」に秘められた野心とは【後編】

書簡に隠された野望

【前編】では慶長遣欧使節団の経緯と政宗の意図について説明しました。

伊達政宗はなんと江戸幕府転覆を目論んでいた!?「慶長遣欧使節」に秘められた野心とは【前編】

宗教と通称は別物江戸時代の外交というと、鎖国のイメージから、日本は限られた国としか外交がなかったと思いがちです。しかし実は、鎖国が始まる前の江戸初期、徳川家康が生きていた時代には貿易は積極…

【後編】では幕府転覆説の根拠と真相について見ていきましょう。

支倉常長は、スペイン国王やローマ法王に謁見した際、使者として政宗自筆の書簡を国王や法王に渡しています。

その書簡の中には、スペインとの軍事同盟や倒幕など、政宗の野望を示した証拠となるような文面はありません。

しかし、スペイン国王に常長が手渡した「申合条々」の中に、スペイン国王と敵対関係にあるイギリス人やオランダ人、およびその他のいかなる国民でも、当領国(仙台藩領)内に入ってきた者はすべて裁判にかけるというような内容の一条があります。

幕府転覆計画説によれば、これがスペイン国王に対する軍事同盟の提案だというのです。

また、前述の政宗自筆の書簡に自身の野望を伝える文面がないのは、万が一計画が失敗した時に備えたためだともいわれています。

政宗はいくつかの書簡に「詳しくは常長(あるいはソテロ)が口頭で申し上げます」という一文を加えており、政宗は大事な話は、常長やソテロから直接口頭で話すように指示したともいわれています。

2ページ目 ソテロの証言

 

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