俳人として名高い与謝蕪村(よさぶそん)の「幻の水墨画」が92年ぶりに発見!
江戸時代中期の俳人で画家の与謝蕪村(よさ ぶそん)が描き「幻の名作」と言われていた水墨画「蜀桟道図(しょくさんどうず)」が92年の年月を経て見つかりました。
「蜀桟道図」は1922年に発行された「蕪村画集」にモノクロ写真が掲載されて以降、所在が不明になっていました。最近になってシンガポールの会社が所蔵しているという情報が寄せられ、今年5月に滋賀県甲賀市の美術館「MIHO MUSEUM」の岡田秀之学芸員が鑑定。山や樹木の精密な描き方や人物の表情などから蕪村の作品と確認されました。
作品は長さ167.5センチ、幅98.9センチ。中国四川省北部に通じる険しい山や渓谷に造られた「蜀桟道」を旅人が行き交う様子が墨や岩絵の具で絹地に描かれ、蕪村が晩年に用いた雅号「謝寅(しゃいん)」という署名もあります。
依頼者に作品を発送したと伝える手紙が残っていることから、安永7(1778)年、亡くなる5年前に完成されたものだということがわかっています。精彩かつユーモラスな画風。これまでのさまざまな技法が詰まった、文字通りの大作。
与謝蕪村、晩年の代表作である「蜀桟道図」。2015年3月18日から東京都港区のサントリー美術館、2015年7月4日からミホミュージアムで開かれる特別展「生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」で展示されるとのことです。
蕪村は俳人としても高名ですが、水墨画の方もひねもす眺めていたくなりますね。
与謝蕪村
via: 与謝蕪村:水墨画「蜀桟道図」 92年ぶりに見つかる – 毎日新聞