江戸っ子はミネラルウォーター派?実は江戸時代の水もお金を払って飲んでいた:2ページ目
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ただ、水道といっても、現在のように浄水場があるわけではなく、冷蔵庫で冷やして飲めるわけでもなかったため、夏になると水が臭くなりとても飲めるような代物ではありませんでした。
そこで登場したのが「水売り」と呼ばれる商人たちです。
彼らは、夏の暑い盛りに、江戸の町では「ひやっこい、ひやっこい」という声が響かせながら、江戸の町中で水を売り歩いていました。
水を売る?夏限定、江戸時代のおもしろ商売「冷や水売り」を詳しく解説
江戸時代、夏の間だけ多く出回った「冷や水売り」。彼らは白玉入りの冷たくて甘い水を売り歩きました。井戸で汲んだ冷たい水をたっぷり入れた桶やら荷を担ぎ町の辻々に現れては、真鍮製や錫製の椀に冷や水を汲んで、…
笠をかぶり、天秤に二つの桶を担いで売り歩いている水売りの姿は、まさに江戸の名物でもありました。「滝水」「冷水」の看板もかけ、前のほうの桶には小さな屋台があり、茶碗や白玉が収納されていました。この時代の川柳に「銭金わく土地水を買ってのみ」というものがあり、当時の様子が分かります。
喉が渇いた人はこれらの水を買って飲んだそうです。その姿は今のようにコンビニや自動販売機などでミネラルウォーターやお茶などを買う様子とほとんど違いがありません。
参考:中江克己『お江戸の意外な生活事情―衣食住から商売・教育・遊びまで』
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