
名前からして興味津々!前田慶次や伊達政宗の甲冑も、武士の美意識に迫る「戦国婆娑羅-武士たちの美意識」
婆娑羅(バサラ)という言葉をご存知ですか?婆娑羅とはサンスクリット語で金剛石(ダイヤモンド)を意味する言葉で、日本では平安時代に雅楽などで伝統的な奏法を打ち破る自由な演奏のことを婆娑羅と称しました。
後に婆娑羅という言葉は派手さ、奇抜さ、粗忽、暴れるなどといった意味として解釈されるようになります。戦国時代では婆娑羅が一つの美意識の形となり派手な服装を好むものが出てきます。
そんな美意識・婆娑羅から武士たちの美意識に迫る展覧会が開催されています。開催中の特別展「戦国婆娑羅 – 武士たちの美意識-」では、武将たちが纏っていた甲冑や、武士の美意識に関連した屏風絵、浮世絵を展示。
- 静岡県指定文化財 紅糸威金胴丸 伝 武田勝頼奉納 室町時代末期(富士山本宮浅間大社蔵)
- 特別出品 紺糸威胴丸 広袖付 伝 井伊直虎所用 室町時代後期(京都井伊美術館蔵)
- 歌川国芳 中浦猿吉郎久吉(豊臣秀吉)太平記英雄傳の内 嘉永元-嘉永2年頃(個人蔵)
- 歌川国芳 保里蘭丸永保(森蘭丸)太平記英雄傳の内 嘉永元-嘉永2年頃(個人蔵)
甲冑の展示では井伊直虎・前田慶次・伊達政宗など人気武将の甲冑も登場します。さらに徳川家康着用の腹巻2点が百数十年ぶりに同時に展示されるのも見どころのひとつ。
- 重要美術品 色々威腹巻 伝徳川家康着初の腹巻 室町時代末期(個人蔵)
- 静岡県指定文化財 紅糸威腹巻 背板付 伝 徳川家康着初の腹巻 室町時代末期(静岡浅間神社蔵)
一見奇抜で常軌を逸した行動に出る武士たちの美意識・婆娑羅は、単に自分勝手で自己顕示欲が強いというものではなく、戦国の時代を生き抜く武士たちの強い信念、自らの意思をつらぬく意気地が反映されたものなのかもしれません。
そんな武士たちの生き方が形に現れた甲冑などを通して、武士の精神を堪能してみてはいかがでしょうか。
特別展「戦国婆娑羅 – 武士たちの美意識-」は2016年10月8日(土)〜11月13日(日)の期間、浜松市・平野美術館で開催中です。
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