
幕末に起きた「戊辰戦争」の敗戦藩はどのように復興したのか?三島億二郎に学ぶ地域再生戦略【前編】:2ページ目
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戦後、焼け野原となった長岡では、復興と再建が急務でした。1870年以降、三島は、大参事として長岡の地域行政を担い、幅広く、教育・産業・医療・金融の各分野に手を入れていきます。しかし彼の復興戦略の真髄は、「人と人の対話」から始まりました。
長岡の唐物商・岸宇吉の邸宅に、当時としては珍しい舶来の石油ランプがありました。その灯りを囲むようにして、士族や商人、医師、教育者らが定期的に集い、町の将来について議論を交わしたのです。これが、後に「ランプ会」と呼ばれた知的交流サロンでした。
参加者には、小林虎三郎や森源三、大橋佐平、教育者の藤野善蔵、医師の梛野直など、分野を超えた面々が名を連ねていました。そして中心にいたのが三島億二郎でした。
【後編】につづきます。【後編】の記事はこちら↓
幕末に起きた「戊辰戦争」の敗戦藩はどのように復興したのか?三島億二郎に学ぶ地域再生戦略【後編】
【前編】では、戊辰戦争に敗戦し、明治維新を迎えた直後の三島億二郎とその周辺について見ていきました。【前編】の記事↓[insert_post id=243168]今回はその続きとなります…
参考文献
- 今泉鐸次郎『三島億次郎翁』(1927 北越新報社)
- 今泉省三『三島億二郎伝』(1957 覚張書店)
- 長岡市編『ふるさと長岡の人びと』(1998 長岡市)
- 稲川明雄『長岡城落日の涙―故郷復興への道のり』(2001 恒文社)
- 石坂智惠美『長岡復興の恩人 三島億二郎物語』(2024 博進堂)
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