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ゲスの極み!鬼畜の所業!平貞盛が自分の孫を殺そうとした理由がエゴすぎる【上編】

ゲスの極み!鬼畜の所業!平貞盛が自分の孫を殺そうとした理由がエゴすぎる【上編】:2ページ目

不治の病に効く妙薬「児干」を求めて

今は昔、平将門を退治した貞盛が順調に出世街道を進み、丹波国(現:京都府中部&兵庫県の一部)の国司(丹波守)として赴任していた時のことです。

詳しい状況は不明ですが、貞盛がとある事で矢傷を負い、それが悪化して腫瘍ができてしまいました。

いよいよ症状が重くなり、命の危険が迫った貞盛は京の都より何の某(原典では欠字)という高名な(止事無・やんごとなき)医師に往診させました。

「こらあきまへんわ……諦めなはれ」

そんな、あんまりだぁ!……とばかり、どうにか助かりたい一心で懇願する貞盛に、医師は重い口を開きます。

「……いや、助かる方法がない事もおまへんが……せやけど……」

「あるなら疾々(とっと)とそれを申せ!」

半狂乱で詰め寄る貞盛。医師はそれを伝えました。

「……児干(じかん)や。あんさんの腫瘍を治すには、そうそれしかおまへん」

「ジカン?」

「せや。児の干(きも。肝)と書いて児干や。それを薬にすれば治りますが……あんさん。覚悟はありまっか?

「……何じゃと?」

医師の話では、児干として薬効があるのは胎児のそれに限られる……つまり、入手するためには「妊婦の腹を掻っ捌いて、中の赤ん坊を取り出す」という鬼畜の所業に手を染めなくてはならないのです。

「……どないしまひょ。あんさん、よう考えなはれ……そこまでして助かりとおすか?

深刻な顔で訊ねる医師を、貞盛は笑い飛ばします。

「何じゃ。それで助かるなら、赤子の一人や二人。そうと判ればすぐにでも……そうじゃ!」

何か思いついた貞盛は、すぐさま我が子の左衛門尉(さゑもんのじょう。養子の維叙—これのぶと推定される)に会いに行きました。

3ページ目 息子を脅迫し、その妻子を……

 

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