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きっかけは仏教の解釈を巡るケンカ?天台宗と真言宗の開祖は犬猿の仲だった

きっかけは仏教の解釈を巡るケンカ?天台宗と真言宗の開祖は犬猿の仲だった

エリート2人はともに唐で仏教を学んだ

日本で天台宗を開いた最澄と、真言宗を開いた空海は、ともにエリートと呼ぶにふさわしい経歴を持った僧侶でした。

現在の滋賀県大津市に生まれた最澄は、12歳で近江国分寺にて出家し、19歳のときに奈良の東大寺で「具足戒」を受け、国から正式な僧侶と認められました。

これは当時の僧侶としては、まさにエリートコースです。

そして804(延暦23)年に遣唐使として唐(現在の中国)に渡り、天台教学・禅・密教などを学んで帰国し、日本での天台宗の確立のために活動しました。

一方、現在の香川県善通寺市で地方豪族の家に誕生した空海は、18歳のときに京の官僚養成機関である大学寮に入った、いわばエリート官僚候補生でした。

ところが、天才だった彼には大学寮での勉強ではもの足りなかったのでしょうか?19歳頃から山林での修行を始め、その数年後には「俗世の教えは真実ではない。仏教こそがいちばん優れた思想だ」と悟り、エリートコースを捨てて突然出家してしまいました。

その後も空海は山林修行を続け、仏教思想を幅広く学んだと言われていますが、30歳で唐に渡るまでのことははっきりとは分かっていません。

唐に渡った空海は、「密教」と呼ばれる仏教経典に文字としては残されていないお釈迦様の教えを学び、日本に帰って真言宗を開きました。

3ページ目 平安仏教の開祖2人は、なんとケンカ別れ!?

 

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