なんと400語以上あるとも言われる情緒あふれる日本語の「雨の呼び名」を一挙ご紹介:2ページ目
秋の雨
秋雨:あきさめ:しゅうう、とも呼ばれます。秋に降る冷たい雨。秋雨前線は、夏から秋へ移り変わる頃に現れ始めます。
冷雨:れいう:冷え冷えと降る晩秋の雨。
白驟雨:はくしゅうう:雨脚白く降る「白雨」と雨粒が大きく強い雨「驟雨」を合わせた言葉。断続的に烈しく降る秋の雨。
秋黴雨:あきついり:梅雨のように降り続く秋の長雨のことで、秋入梅とも表します。読み方のついりは、つゆいりが転じたもの。
伊勢清めの雨:いせのきよめのあめ:宮中行事の神嘗祭が執り行われる、陰暦9月17日の翌日に、祭祀の後を清める雨。
霧雨:きりさめ:霧のように細かい雨。気象学では、直径0.5mm以下の雨粒の大きさの雨のこととされています。春に降ると小糠雨と呼ばれます。
秋湿り:あきしめり:秋の長雨のこと。
秋霖:しゅうりん:こちらも秋に長く降り続く雨のこと。同じ雨でも、さまざまな呼び方があります。
冬の雨
時雨:しぐれ:晩秋から冬にかけて降る、降ったり止んだりのあまり強くない雨。晴れていた空が急に暗くなり、はらはらと軽く降る通り雨。俳句では冬の季語。時雨にもさまざまな呼び方があります。
朝時雨:あさしぐれ:朝方に降ったり止んだりする。
北時雨:きたしぐれ:北風とともにやってくる。
北山時雨:きたやましぐれ:京都の北山の風物詩。
山茶花時雨:さざんかしぐれ:山茶花の紅い花が咲く頃に降る。
横時雨:よこしぐれ:横なぐりに降る。
村時雨:むらしぐれ:激しく降って、さっと通り過ぎてしまう。
月時雨:つきしぐれ:月明かりの中の時雨。物語や絵画の中のような風流な景色。
冬時雨:ふゆしぐれ:時雨は冬のものですが、晩秋に降るものとはっきり区別するための呼び名。
片時雨:かたしぐれ:ある場所では雨が降ったり止んだりしていて、別の場所では晴れていること。
氷雨:ひさめ:霙(みぞれ)や雪に変わる前の凍るように冷たい雨。もともとは、夏の季語で雹(ひょう)や霰(あられ)を表していました。
凍雨:とうう:凍りつくような冷たい雨。また、雨粒が凍って降ってくる雨のこと。
寒九の雨:寒の入りから9日目に降る雨。この日に雨が降ると、その年は方作為なるとの言い伝えがあります。
寒の雨:小寒、大寒の時期に降る雨のこと。
鬼洗い:おにあらい:大晦日に降る雨。語源は鬼やらいとも呼ばれる、追儺(ついな)という宮中の年中行事に由来するとの説も。