【ブラッサム】23歳で一軒家購入もわずか2年の札幌生活!珠のモデル・宇野千代に起きた運命の転機:3ページ目
「頼母子講」のくじで当選したお金で家を購入
千代は、仕立てで稼いだお金を元手に頼母子講の掛け金として使い、寄り合いでくじに当選してまとまったお金(1000円ほど)を手に入れたそうです。
その講中には、いまで言う不動産屋とも言うべき男がいて、私はその男の世話で、一軒の家を買い取る、という破目になったのであった。
(『生きていく私』宇野千代・角川文庫)
当時、宇野千代は22〜23歳頃。まだ若いのに、初めて一軒家の持ち主になったのでした。
新築というわけにはいかず、難点もある家だったようですが、生活を工夫すること自体を楽しんでいた千代は、“裏の空き地の桜の大木が紅葉している様子”を見て感動したそうです。
ここを生涯の住家としても悔いない、私はそう思ったものであった。「生きていく私」。(『生きていく私』宇野千代・角川文庫)
このときは、この札幌のこの家で生きていきたい……と感じた気持ちが伝わってくる、印象的な一文でした。
ブラッサムの中では、「仕立屋を始めて繁盛する」→「頼母子講をやって大金が当たる」→「初めての家を購入する」……この流れは、どのように描かれるのでしょうか。
最後に
宇野千代は若くして一軒家も手に入れて、夫婦仲よく楽しく落ち着いた生活をそのまま送っていくのかと思いきや。
やはり「文学の神様」は、千代を「小説を書く道へ」と引き戻したようです。
札幌に移住してからわずか2年、1921年(大正10年)、福沢諭吉が創刊した『時事新報』という新聞が懸賞小説の応募に目がとまり、それに募集したことから、再び千代の人生は「文学の道へ」と惹き込まれていくのでした。
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参考:
・『生きていく私』宇野千代(角川文庫)
・『宇野千代 その言葉と人生』四条たか子(宝島社)
・札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ「札幌市民の生活」
・進化趣味レーションで絆と徳を探るー頼母子講を例に 中丸麻由子

