「べらぼう」そうきたか!老舗ができないことをやる−−挑戦とアイデアの宝庫・蔦重の底力【後編】:4ページ目
「お前は蔦屋史上とびきりの『そうきたか!』になんの!」
「お前の名をどんどん売ろう!俺がそうしてえの!」
普段はわがままな自己主張はしない蔦重が、本気で「俺がそうしてえの!」と言うのは、久しぶりですね。
鳥山検校の身請け話を受けるという瀬川に「俺がお前を幸せにしてぇの!行かねえでくれ!」と頭を下げたとき以来の「俺がそうしてえの!」です。
この言葉を、今度は、歌麿に言う蔦重。
瀬川は自身の力で幸せにすることはできませんでした。歌麿は絵師として、もっと幸せにしてくれ(史実を知っているとはいえども)と思ったシーンでした。
そして、「お前は蔦屋史上とびきりの『そうきたか!』になんの!俺がそうしてえの!」という蔦重。
まさに、太田南畝の「『そうきたか!』と思わせることをするのが蔦重のいいところ」と言う言葉が蘇ります。まさにここで「そうきたか!」の場面でした。
その言葉通り、蔦重は歌麿の絵の才能をPRするためのお披露目会「歌麿大明神の会」を開き、さまざまなクリエーターに顔合わせをさせます。
そんな大事な会なのに、いろいろと心情的に抱え込んでしまった恋川春町が(岡山天音)とうとうブチ切れて大暴れして、まさにリアルに「筆を折る」ことに……と、これはまた別のお話に。
けれども、以前歌麿が「恋川春町の絵は味がある」言っていたように、筆者も味わい深い春町の絵や発想が大好きなので、まだまだドラマの中で大活躍して欲しいと願っています。
今後がどのような脚本の展開になっていくのか。蔦重の『そうきたか!』が発揮されて大ヒットが生まれるよう、祈りつつ続きを楽しみに待ちたいと思います。
