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家康を関東に封じ込めろ!東海道封鎖作戦
……かの駿遠三甲信の五ヶ国は。年頃人民心服せし御領なれば。是を秀吉の手に入。甲州は尤要地なれば加藤遠江守光泰を置。後に浅野弾正少弼長政を置。東海道要枢の清洲に秀次。吉田に池田。浜松に堀尾。岡崎に田中。掛川に山内。駿府に中村を置。是等は皆秀吉腹心の者共を要地にすえ置て。関八州の咽喉を押へて。少しも身を動し手を出さしめじと謀りしのみならず。また関東は年久しく北條に帰服せし地なれば。新に主をかへば必一揆蜂起すべし。土地不案内にて一揆を征せんには必敗べきなり。其敗に乗じてはからひざまあるべしとの秀吉が胸中。明らかにしるべきなり。……
※『東照宮御実紀』巻四 天正十八年「秀吉封家康于関東」
こうしてまんまと家康が手塩にかけて治めてきた五ヶ国を手に入れた秀吉。これらは東海道の要衝であり、ここを抑えて家康を関東に封じ込める狙いがありました。
まず甲斐国には加藤光泰(のち浅野長政)を配置。東海道には東から駿府に中村一氏、掛川に山内一豊、浜松に堀尾吉晴、吉田に池田輝政、岡崎に田中吉政、そして清州に豊臣秀次と、信頼できる大名たちでガッチガチに固める計画です。
これだけではまだ安心できません。関東の領民たちは永らく北条に仕え、いくらかでも忠誠が残っているはず。そこで一揆を煽動して徳川の国力を削いでやれば、滅ぼす隙も生まれよう……秀吉はそう考えていたのでした。
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