山形県は日本を代表する「ラーメン大好き県」その歴史と現況を探る【前編】:2ページ目
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そばと並ぶ「ご馳走」になったラーメン
しかし、そばという食べ物には問題があります。日持ちがせず、打った日に食べないと味落ちしてしまうのです。
もちろん冷蔵庫もない時代では、そばが食べられるのは旬の時期である11月から3月までと限られていました。
ところが、ラーメンならこの問題をクリアできます。原料が小麦なので一年中食べられますし、寝かせて熟成もできるので日持ちするのです。
どちらも同じ「麺類」なので、ラーメンもそばの親戚のように考えられたのかも知れません。おそらく、そば作りの技法はラーメン作りにも応用が利いたのでしょう。そば屋はラーメンもメニューに加えるようになりました。
家庭で作るのが難しいラーメンの麺やスープを、そば屋が作るようになったことで食べ物としての知名度も人気上昇していったのです。
現在でも、山形県のそば屋が、「中華そば」という名前でラーメンを提供するのはごく当たり前のことです。
一方、そばの親戚として捉えられつつも、非日常的なご馳走というイメージもあったのでしょう。今でも、山形県ではお客を家でもてなす際、出前でラーメンを振る舞う習慣があります。
【後編】では、観光面も含めた「ラーメン県」としての山形県の実情を説明します。
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