山形県は日本を代表する「ラーメン大好き県」その歴史と現況を探る【後編】
地域の違いがそのまま「ラーメンの違い」に
【前編】までは、山形県が「ラーメン県」となった経緯を説明しました。
山形県は日本を代表する「ラーメン大好き県」その歴史と現況を探る【前編】
関東大震災とそば文化実は東北地方の「山形県」は、ラーメンの消費量が日本一です。この事実は、インターネットの普及や各種メディアの宣伝によって知られるようになってきました。なぜ「山形県…
もともと、山形県は最上氏が治めていました。しかし、江戸時代初期のお家騒動で領主が入れ替わると、4つの地域にそれぞれ別の地方からやってきた大名が治めることになりました。
幕藩体制の影響は今も残っており、この4つの地域はそれぞれ独特の方言や文化、空気感があります。
そしてこうした違いは、さらに各々の地域で特徴のあるラーメンを生み出すことになりました。
山形県はラーメン県と言っていい県ではありますが、では「山形ラーメン」という代表的なものがあるかというと、全然ありません。地域ごと、店ごとにオリジナリティにあふれたラーメンがたくさんあります。
その、それぞれのラーメンが独自性を競ってしのぎを削っているさまは、ラーメン戦国時代どころではありません。無数の星屑が輝くラーメン宇宙と言ってもいいでしょう。
例を挙げると、山形には「冷しラーメン」「冷たい肉中華」なるものがあります。
かつて山形市は「日本最高気温の記録」を持っていましたが、このような暑い夏に「冷しラーメン」はマッチするのでしょう、今でも店によっては1日500食の注文があることも(ちなみに、山形のそばには冷たいかけそばも存在します)。
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