煉獄さんが食べてた”牛鍋”も!明治時代に誕生した新しい食文化たち:2ページ目
洋菓子
江戸時代より諸大名の菓子匠を仰せつかってきた凮月堂総本店は、明治時代になると洋菓子の開発を始めます。
明治10年の第1回内国勧業博覧会では、菓子部門において、大住喜右衛門の南伝馬町風月堂の「菓糕」と米津松造の若松町風月堂の「乾蒸餅(ビスケット)」が褒賞を受賞しました。
その後、西洋菓子に力を入れ、1882年(明治15年)ごろには大々的に西洋菓子を売り出し、1886年(明治19年)にはシウアラケレム(シュークリーム)やアイスクリームも製造しました。
あんぱん
明治時代に誕生した日本発の食べ物に、あんぱんがあります。
あんぱんを考案したのは木村屋で、創業は明治2年。
5年後の明治7年、日本独自のあんぱんが誕生します。
木村屋のあんパンは、一般的なホップを使ったパン酵母の代わりに、日本酒酵母を含む酒種を使用しました。これは酒饅頭の製法に倣ったもので、従来の和菓子の製法に近く、日本人にも馴染みやすい人気商品となりました。
翌年には明治天皇に献上し、宮内庁御用達となったことで全国的な知名度も上がっていきました。
アイスクリーム
明治2年、横浜馬車道で使節団の1人・町田房蔵が製造販売を始めたのが日本のアイスクリームの発祥です。
当時の名称は「あいすくりん」で、原料も牛乳、卵、砂糖とかなりシンプルなものでした。
しかし、発売当初は現在の価格で約8000円とかなり高級品で、食べられるのは主に外国人や上流階級の人たちだけで、一般庶民にはなかなかハードルの高いものでした。
明治19年に外国人を招待した鹿鳴館でのレセプションでも、デザートにアイスクリームが出されたと記録が残っています。
明治30年代には東京・銀座の資生堂でもアイスクリームとアイスクリームソーダの販売を始め、人気メニューとなりました。
明治後半には一般家庭にも浸透し始め、明治40年代には家庭用のアイスクリームフリーザーを使用しているところもあったそうです。
いかがでしたか?
現在ではお馴染みのこうした食文化も、明治の文明開化と一緒に花ひらいたと考えると感慨深いですね。