明治時代に改名ブーム?その背景には苗字の義務化などさまざまな事情がありました:2ページ目
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ところが、「平民苗字許可令」が発令されていても、一部の人たちは苗字を名乗りませんでした。その後、明治8(1875)年に「平民苗字必称義務令」がだされたことで、国民すべてが苗字を名乗ることが義務付けられました。
「下の名前」に関しても大幅な変更がなされました。
明治2(1869)年、政府は、兵衛・助・介・輔・丞・進・右衛門・左衛門・大夫など古代の官職に由来する名前や、国名を使った受領名などを名乗ることを禁止した布達を出しました。その結果、全国の士族や庶民が下の名前も一斉に改名することになったのです。
明治時代に、日本人の名前のトレンドが大きく変わるのは、このような事情があったからなのですね。
参考
坂田 聡 『苗字と名前の歴史』(歴史文化ライブラリー 211)
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