神宮、大社、八幡宮…神社の呼称はいろいろあるけど、どんな違いがあるの?:3ページ目
よく聞く「八幡宮」って?
「八幡宮」系列の神様は応神天皇です。
応神天皇は4世紀末から5世紀初頭に在位した第15代天皇です。
八幡大社という名前の神社もありますが、皇室とのゆかりの深さから「神宮」であり大社ではありません。
八幡系は全国に約2万5千社あり、稲荷系列についで巨大な系列です。
ちなみに大分県の「宇佐神宮」が八幡系列の神社の本社です。
「大権現」「明神」「山王さん」もよく聞くけど
権現とは
権現は、日本の神の神号の一つ。
もともと「神」を信仰していた日本に、のちに入ってきたのが「仏教」。そのため、菩薩などの仏が日本の神の化身として現れたとする考えが生まれました。それが「本地垂迹(ほんちすいじゃく)思想」というもので、その総称が「大権現」という神号になりました。
権という文字は「臨時の」「仮の」という意味があります。雑な言い方をすれば、見た目は神だけど中身は仏ということになりますね。
ちなみに神の正体とされる仏は「本地仏」と呼びます。神が何の仏の化身であるかは、宗派や寺院・神社によって異なります。
大権現の例として、東京都の高尾山薬王院の「飯縄大権現=薬師如来」、熊野の本宮大社の「家都御子神(けつみこのかみ)=阿弥陀如来」などがあります。
明神さまって?
全国的な崇敬を得ているの神を尊んだ敬称で、稲荷大明神や春日大明神などが有名ですが、正式な神の呼称ではありません。
山王さんとは
滋賀県にある日吉大社の祭神の別称。先に記した権現の思想を汲みし山王権現ともいいます。
東京都にある山王日枝神社も「山王さん」と親しまれてきました。いずれにしても山の地主神である「大山咋神」が祭神の一つです。