『べらぼう』子供は無事生まれる?歌麿の葛藤と決断…史実を元に11月2日放送内容の深堀り解説:4ページ目
おていさんの子供は無事に生まれる?
「この年になって、ようやくガキが出来たんだ……」
子供をダシに、美人絵の量産を歌麿にせがむ蔦重。いくら気づいていないとは言え、どこまでも歌麿の心を踏みにじってしまいます。
ちなみに劇中でおていさんが詠んでいた本は『小児必用養育草(しょうにひつようそだてぐさ)』という育児書でした。
乳母はどういう基準で選ぶべき?産湯や沐浴はどうするの?子供が病気にかかった時の治療法は?天然痘を防ぐにはどうする?しつけや教育も抜かりなく……すべての母にとって必携書だったようです。
ところで、実際の蔦屋重三郎に実の子供がいたという記録はありません。二代目蔦屋重三郎は養子に迎えた番頭の勇助が継いだと言われており、実子はいなかったのではないでしょうか。
もしそうなら、おていさんが身籠った子は流産か死産、あるいは幼くして命を落とす展開が予想されます。
喜びを与えておいて、後から一気に悲劇と絶望に叩き落とす森下脚本の定番からすると、そうなってしまう可能性も否定はできません。
どのみち、覚悟はしておいた方がいいでしょう。
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蔦重(横浜流星)は歌麿(染谷将太)が描く五十枚の女郎絵の準備を進めていたが、ある日歌麿が西村屋と組むと耳にし…。一方定信(井上祐貴)は“大老”の座を狙っていた。
※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
次週は予想通りと言いますか、限界を超えてしまった歌麿の訣別と、調子に乗った定信が大老の座を狙う様子が描かれるようです。
しかし歌麿の気持ちも理解できるとは言え、何も気づいていない蔦重にしてみれば青天の霹靂、裏切り以外の何物でもないでしょうね。
いっぽう定信に対する同僚たちの態度は、どう見ても心を入れ替えたのではなく「もはやお前には愛想が尽きた。後で梯子を外してやるから、好きなように突っ走るがいい」という真意がうかがわれます。
果たして蔦重と定信、正しき世を信じて突き進むそれぞれの今後はどうなるのか……次週も心して見守りましょう!



