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『べらぼう』愛の告白に胸キュン!松平定信(井上祐貴)──ツンデレなオタク全開!10の魅力【後編】

『べらぼう』愛の告白に胸キュン!松平定信(井上祐貴)──ツンデレなオタク全開!10の魅力【後編】

松平定信(井上祐貴)の人間味あふれる魅力。【後編】では、“べらぼう史上最高の萌えキャラ”定信が、憧れの耕書堂で見せたかわいい一面、抱えてきた後悔と懺悔、最後のウキウキ笑顔などの魅力を振り返ります。

【前編】の記事↓

『べらぼう』史上最高の“萌えキャラ”松平定信(井上祐貴)──ツンデレなオタク全開!10の魅力【前編】

NHK大河「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」第47話『饅頭こわい』で、“松平定信(井上祐貴)に心奪われた!”という人は多いようです。「べらぼう」の脚本では、定信は、“我こそは正義”とばかり突っ走る…

春町の新作に大激怒するも…

定信の政を皮肉った黄表紙3作の中で、売れ行きがイマイチだった、恋川春町(岡山天音)作の『悦贔屓蝦夷押領』

悩んだ春町重は、リベンジとして “文武政策という流行りに乗っただけの、ニワカ文武のトンチキ侍”を描くことにします。そして、定信の著作『鸚鵡言』にヒントを得た『鸚鵡返文武二道』を書き上げました。

定信をからかった攻めた内容なため、蔦重の妻てい(橋本愛)は出版を反対。けれども春町は「この本には定信を諫める意味合いがある」といいます。

ところが、定信は春町の新作に大激怒し『鸚鵡返文武二道』を絶版にしてしまいました。春町は作家活動に理解のある主君・松平信義(林家正蔵)のもと、隠居処分で済むはずでした。

けれど、定信の蝦夷政策が気に入らない一橋治済(生田斗真)が、春町の『悦贔屓蝦夷押領』を取り出して、「そなたこそが田沼病と笑われはせぬか」とおちょくったことで定信の怒りは再燃してしまいます。

「恋川春町を名乗る『倉橋格』を呼び出せ」という始末。藩主・信義が仮病を使い誤魔化すも「それでは小島藩邸を訪れる」と言い張ります。

「逃げろ」と匿ってくれる主君に迷惑をかけられないと追い詰められた春町は自死。しかも、腹を切った後、桶に入った“豆腐の角に頭をぶつける”という天才クリエーターとして命がけの「おふざけ」を残すという壮絶かつ切な過ぎる最後でした。

主君・信義は定信に、春町の自死を伝えます。「腹を切り、且つ……ワッハッハ! 豆腐の角に頭をぶつけて」と笑ってみせたあと、「戯ければ腹を切らねばならぬ世とは、一体誰を幸せにするのか」と続け、静かに責める言葉は定信の胸に重く響いたことでしょう。

思えば、老中首座である定信が、一万石の大名の家臣にわざわざ会いにいくというのも不思議な話です。「仮病かどうか確かめる」なら、使いの者に確かめさせればいいだけ。定信は、屋敷を訪れても春町を手打ちにしようなどは思っていなかったでしょう。

きつくお咎めの言葉をいうとともに、実は推しの春町に一目会ってみたかったのかもしれません。けれど、それが春町を死に追いやってしまった。信義と会った後、布団部屋で布団に顔を埋めて慟哭する定信。

激怒したとき「こんなもの!」とばかりに破り裂いた春町の『鸚鵡返文武二道』は、しわを伸ばして丁寧に重ねられてありました。捨てることはできなかったのです。

この取り返しのつかない後悔、悲しみ、衝撃……さまざまな感情の嵐は、独りで受けとめて耐えるしかなかった定信だったのでした。

2ページ目 黄表紙など上方に任せれば?にムキに

 

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