『べらぼう』愛の告白に胸キュン!松平定信(井上祐貴)──ツンデレなオタク全開!10の魅力【後編】:3ページ目
蔦重を騙せ!源内に寄せた草稿を作る定信
月日は流れ、蔦重と定信は安徳寺にて再会。実は“生きていた”と噂の平賀源内(安田顕)に呼び出されたと思って出向いた寺で待ち構えていたのは定信のほか、三浦庄司(原田泰造)、高岳(冨永愛)、長谷川平蔵、柴野栗山(嶋田久作)のメンバー。
数多くの命をうばった一橋治済への仇討ちをするべく結集したアベンジャーズです。「どうだ、蔦屋重三郎。我らと共に仇を討たぬか」と誘われました。
蔦重を呼び寄せるための罠、 “七ツ星の龍と源内軒の物語『死を呼ぶ手袋』”の続きは、定信が書いたのでした。絶対にワクワクしながら書いたに違いありません。きっと、「あれ、どうだった?」と蔦重に感想を聞きたかったでしょう。けれど、「源内が書いたと思って騙されて寺まできた」という事実に満足したはずです。
結局、蔦重は仇討ち作戦に乗り「写楽プロジェクト」が誕生します。絵師や戯作者たちが結集して仕上げた写楽の絵を定信に見せると、大満足!といった表情で、「画号は『東洲斎写楽』とせよ。写楽は東洲、江戸っ子。これは江戸の誉としたい」と言います。
名付けることで自分もこのプロジェクトに参加した!という爪痕を残したかったのでしょう。
「あ゛?」という、結構失礼な感じの蔦重の返事には笑いました。
初めての耕書堂に嬉しさが隠しきれない
一度は失敗したものの、一橋治済をそっくりな男・斎藤十郎兵衛(生田斗真)とすり替える作戦は大成功。仇討ちは見事成功しました。そして、定信は国元に帰る前に耕書堂に立ち寄ります。
大名行列の籠から降りた定信は、耕書堂の暖簾をくぐり店内に足を踏み入れた瞬間、笑顔になり今にもわぁ〜!と声をあげるのではないかと思ったほど喜びが溢れ出ていました。
後悔や怒りで何度も血走った瞳が、澄んでキラキラと輝いたのも印象的でした。見ているほうも「そりゃ嬉しいよな〜」と微笑ましくなるほど。
感動の面持ちで店内を見渡し、店頭に並んでいる黄表紙をどんどん手に取る定信。仇討ちに上様を巻き込んだ蔦重の策を誉めます。
「それだけでわざわざ立ち寄ったのですか?」と不審そうに尋ねる蔦重に、「イキチキドコキキテケミキタカカカッタカノコダカ」と、照れ気味に早口で言います。
少年時代に初めて『金々先生栄花夢』を読んで知った「カ行抜き」言葉で「いちど きて みたかった のだ」と言ったのでした。
小鼻を膨らませた「どや!」な達成感に溢れる表情と、照れ臭そうに目を逸らすところがかわいかった。
プライドが高いので、普通に「いや〜、一度ここに来てみたかったんだよ」とは絶対に言わないけれど、わざわざ「カ行抜き」言葉で言うあたりがツンデレな魅力でしたね。

