『べらぼう』愛の告白に胸キュン!松平定信(井上祐貴)──ツンデレなオタク全開!10の魅力【後編】:2ページ目
黄表紙など上方に任せれば?にムキに
「『世は思うがままには動かぬもの』。そう諫言した者を私は腹を切らせてしまいました。その者の死に報いるためにも私は、我が信ずるところを成しえねばなりませぬ!」……違う方向へと自らを追い詰めていく定信。そして、出版業界はより厳しい規制がされるようになってしまいました。
そこで、蔦重は長谷川平蔵(中村隼人)に頼み、「江戸の本屋は規制が厳し過ぎて新刊が出せない。上方の本屋が黄表紙も錦絵も作ろうとしてる」と定信をそそのかしてもらいます。
「くだらぬ町方の意地の張り合いにございますよ」と平蔵にいわれピキッとなる定信。「くだらなくなどなかろう!江戸が上方に劣るなど将軍家の威信に関わる!」と。俺の大好きな黄表紙を上方に奪われてなるものか!とムキになります。
そして “地本問屋は株仲間を作り、行司(内容の吟味・判定をする役)を立て草稿の改めを行う”と新たな法令を作ることになりました。手玉に取られやすい定信でした。
ところが、蔦重が「教訓読本」と称し袋入の好色本を出版したことが逆鱗にふれ、蔦重は作者の山東京伝(北尾政演/古川雄大)とともに逮捕されます。
なぜか、お白洲には定信がお出ましに。町人の取り調べを、老中首座(現代でいえば総理大臣クラスか)が行うという前代未聞の出来事でした。
定信は、蔦重がどのような男なのか会ってみたかったのか。「二度と戯けた本は作らない」と約束させ耕書堂の命は繋ぎたかったのかもしれません。
ところが反省どころか、舌鋒鋭く戯けパフォーマンスを行なった蔦重は、「身上半減の刑」を申し渡されてしまいます。
けれども、その程度で済んだのは、春町を自死に追い込んでしまった定信の後悔もあったかもと思いました。

