
監禁そして脅迫…鳥山検校のモラハラぶりに驚愕!大河『べらぼう』3月30日放送の解説&レビュー:5ページ目
数少ない瀬以の持ち物
「文の類いはないようですが……」
瀬以を監禁し、その所持品を検(あらた)める鳥山検校。特に不義密通の証拠となるようなものはなく、代わりに数冊の本があるばかりでした。
『塩売文太物語』
『一目千本』
『細見嗚呼御江戸』
『細見籬の花』
『青楼美人合姿鏡』
どれも蔦重がくれたり、作ったりした本ばかり。ここから蔦重との関係を探り出すのは、さすがは感覚の鋭い鳥山検校。
もし瀬以がいつも懐中に入れている通行切手(※女しお、の名入り)を見たら、それはもう激怒したでしょうね。
(※)かつて足抜を考えるまでに追い詰められた瀬川に、蔦重が与えた偽造の通行切手。しお(塩)と言う偽名は、『塩売文太物語』のヒロインである「小しお」からとっており、自分がその相手役「助八」となって助け出すシナリオを考えていました。
しかしわずかな持ち物の大半が蔦重に関係する本ばかりでは、鳥山検校ならずとも二人の関係(少なくとも瀬以の想い)に気づいてしまうのではないでしょうか。
木を隠すなら森の中、身一つで逃げ出してきたのではないのだから、もう少し本を持ってきていた方がよかったかも知れませんね。